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土星の北極に出現した不思議な六角形の正体は…?探査機最後のミッション

2016年12月31日 06時30分 (2016年12月31日 16時07分 更新)

土星の北極にある六角形。この部分では、ジェット気流が吹いている。六角形が自然界で安定した形であることがわかる(NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute)

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 淡いグラデーションが見事な画像は、探査機カッシーニが今年9月、土星の上空120万キロからとらえた土星の北極周辺だ。


 米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)が開発したカッシーニは、1997年に打ち上げられ、2004年にようやくゴールを果たした。以来、土星の新しい衛星を発見したり、土星の輪が消失する現象を観測。


 土星の軌道投入から10年以上経過した今年(2016年)は、最後のミッションとして、北極上空を通過する軌道を繰り返し周回する観測を行っている。すでに探査計画が当初の予定期間を2度延長し、観測機器にも老朽化が進んだため、来年9月、土星の大気圏に突入し、運用を終了する予定だ(涙)。


 そのカッシーニから今年最後に送られてきたこの画像では、北極点周辺を囲む綺麗な六角形(ヘキサゴン)が見える。これまでの観測で、六角形の部分では強いジェット気流によるハリケーンが発生していることが確認されている。


 NASAによると、土星の北半球は今年後半から夏の時期に突入している。太陽の周りを約30年近くかけてまわる土星では、ひとつの季節が7年あまり続き、北半球では来年5月に夏至を迎える。


 このため、北半球では太陽光に照らされる時間が長くなるにつれて、大気中の微粒子の数が増えて、大気の色味が薄暗く青みがかったグレーから、黄色に変化しつつある。


 来年初夏には、黄金色の六角形の王冠を抱いた土星の姿が見られるかもしれない。それがカッシーニが私たちに届けてくれる最後のミッションになるだろう。

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