温室効果ガス 日本貢献の海外削減分を計上へ

温室効果ガス 日本貢献の海外削減分を計上へ
温室効果ガスの排出量を2050年までに80%削減するという政府目標を国内だけで達成するのは難しいとして、経済産業省は日本の貢献によって海外で削減された排出量を事実上、日本が削減したものと見なす新たな戦略をまとめました。
経済産業省は、先月発効した国際的な温暖化対策の枠組み「パリ協定」を踏まえて、長期的な温室効果ガスの削減に向けた検討を進めていて、26日の有識者会議で新たな戦略をまとめました。それによりますと、2050年までに80%削減するという政府目標は、国内産業への影響が大きく達成は難しいとしています。

このため、新たな戦略では、日本の資金や技術によって途上国などで削減された排出量を数値化して事実上、日本が削減したものと見なし、国内の排出量に匹敵する量を地球全体から削減します。海外の削減分を自国分に取り込む仕組みとしては「二国間クレジット制度」がすでにありますが、制度が複雑であることなどから小規模な案件にとどまっています。

新たな戦略では、この仕組みとは別に、日本の政府系金融の支援などをもとに海外で省エネ技術を積極的に活用することや、エコカーなどを輸出して、製造段階だけではなく、現地で使用される分も日本の削減分に計上することなどを通じて温室効果ガスの削減効果を高めるとしています。経済産業省は今後、環境省とも調整して、政府全体の長期的な対策に反映させたい考えです。