英非営利団体のRaspberry Pi Foundationは12月21日(現地時間)、小型コンピュータ「Raspberry Pi」シリーズ向けのOS「PIXEL」の試験的なx86版をリリースしたと発表した。旧型のPCおよびMacで稼働する。
公式ブログの「download」をクリックするとISOイメージファイルをダウンロードできる。
PIXELは、従来のDebianベースのOS、LXDEが9月のアップデートで刷新されたもの。シンプルなユーザーインタフェースでChromiumベースのWebブラウザなどのソフトウェアやプログラミングツールが含まれる。Debianベースなので、Linux向けの多数の無料アプリもサポートする。
x86版も基本的にはRaspberry Pi版と同じだが、「Minecraft」と「Wolfram Mathematica」はライセンスの関係でプリインストールされていない。
同団体創設者のエベン・アプトンCEOは、PIXELを使ってもらうためにRaspberry Piを買ってもらわなくても、既に手元にあるx86マシンにインストールしてもらえばいいと思いつき、3カ月かけてx86版を開発したと語る。
x86版PIXEL開発の動機は2つあるとアプトン氏は言う。まず、教育機関はRaspberry Piを購入しなくても既存のPCをプログラミング教育に活用できる。生徒は同じ環境を自宅のRaspberry Piでも使える。そして、WindowsやmacOSと同列に並ぶことで、PIXELの弱点を見つけやすくなり、改善できるようになる
インストールするには、ダウンロードしたイメージをDVDやUSBメモリに保存し、起動したいPCやMacに接続して外部からブートする。
このOSはまだ実験的なものなので、利用に際してはPCあるいはMacのバックアップはしておくようアプトン氏は勧めている。
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