気象庁 緊急地震速報 同時発生時の予測改善

気象庁 緊急地震速報 同時発生時の予測改善
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2つ以上の地震がほぼ同時に起きた場合に、それを1つの地震と誤って推定し緊急地震速報で実際より大きな揺れを予測するケースが相次いだことから、気象庁は、震源を推定する際に使うデータをこれまでより増やすことで複数の地震を分離できる改善策を開発し、14日から導入することになりました。
気象庁の緊急地震速報は、地震発生直後に出る小さな揺れを捉えて震源の位置などを推定し、あとから伝わる揺れの大きさを予測するもので、震度5弱以上の強い揺れが予想された場合に一般向けに情報を発表します。

ところが、5年前の東日本大震災以降、各地で地震活動が活発化した影響で、2つ以上の複数の地震がほぼ同時に起きることが多くなり、それを1つの地震と誤って推定して実際より大きな揺れを予測するケースが相次いだことから、気象庁が改善策を開発し、14日午後2時から導入することになりました。
それによりますと、これまでは、観測点に地震波が到達した時刻を基に震源の位置を推定していましたが、改善策では、観測された振幅の大きさや地震波が到達しなかった観測点などのデータも加えることで、複数の地震を分離し震源が1つなのか、2つ以上あるのか推定できるようになるということです。

気象庁によりますと、ほぼ同時に起きた地震を1つの地震と誤って推定し実際より大きな揺れを予測したケースは、5年前の3月11日に巨大地震が発生してからその翌月の4月末までに21回あったほか、ことし4月の熊本地震でも3回あったということですが、今回の改善策によって、こうしたケースはすべて防ぐことができるとしています。