【コラム】崔順実事件、日本メディアの報道に見る他者の視線

【コラム】崔順実事件、日本メディアの報道に見る他者の視線

 ここ1カ月余り、日本のジャーナリストの訪問が増えた。現役記者もフリーランスの記者もソウル入りした。日本のメディアは通常2-3人の特派員を韓国に置いている。最近ソウルに来るのはそれとは別だ。出版社や雑誌社の記事依頼を受けたか個人的な関心で現場入りしているのだ。私には8人から連絡があったので、相当数の日本人記者が現場を歩き回ったはずだ。両国を行ったり来たりして、6回のろうそく集会のうち4回を現場で取材した人もいた。日本のジャーナリストと接するたびにまるで匠のようなひたむきさと旺盛な情報欲求に驚かされる。

 私が会った記者に共通する質問は2つだった。まず「韓国政治ではなぜこんな不正事件が繰り返されるのか」だ。その質問には「日本の民主主義は70年、韓国は30年が経過した。民主化30年後の日本で起きた政治スキャンダルを思い浮かべれば、韓国をある程度は理解できるのではないか」と遠回しに答えた。腐敗した日本政治が浄化されたのは、民主化50年に近づく時期だった。次の質問は「誰が次期政権をつかむのか」だった。私に知るすべはない。ただ「韓国政治の時間は日本よりも長い」と答えた。韓国の政治風土では今吹いている風を根拠に未来の風向きを断じるのは難しいと言ったのだ。

 日本はさまざまな面で進んだ国だ。我々にはまだ学ぶべき点が多い。しかし、関心は正反対に流れる。韓半島(朝鮮半島)に対する日本の関心は常に大きい。外交・安全保障に対する日本の価値設定が韓国よりも大きいからではないかと推測する。「主権線」「利益線」という過去の日本の安全保障概念をコラムで紹介したことがある。主権線は日本本土、利益線は日本本土の安全を守るため、自分の味方にすべき地域を指す。この単語を口にこそしないが、今も日本はこの線に従って激しく動く。トランプ氏が米次期大統領に当選すると、メンツや慣例を無視し、首相がニューヨークに向かったのもそのためだ。浅はかにも思えるが、日本人の生存方法とはそういうものだ。

鮮于鉦(ソンウ・ジョン)論説委員
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