借り換えができないケースとは?
借り換えに適しているという条件をしっかり満たしている人は、今すぐにでも手続きをしてしまいたいと思いますよね。しかし、借り換えをするためには、新しく利用する住宅ローンを提供している金融機関が要求する一定の条件を満たす必要があり、それができない場合は手続きをすることができません。
どのような場合に借り換えをすることができないのかということをしっかり把握しておきましょう。
下記のような場合は、借り換えができないケースとなっているようです。
~ もくじ ~
- 申込者の信用が足りない
- 担保の不動産価値が残債よりも低い
- 申込者の健康面に問題がある
- 滞納してしまった経験
1. 申込者の信用が足りない
借り換えをするためには、まず新しく利用する金融機関に対して申し込みをし、住宅ローンの審査を受ける必要があります。収入、勤務先、勤続年数など様々なことを考慮した審査を受けることになります。
そして、借り換えの手続きをする場合というのは、マイホームを購入するために住宅ローンを組んでから早くても数年後ということになります。その間には自分の勤務先の立場であったり、収入面や会社の業績などいろいろな変化が生じているものです。
上記の変化の中で、年収が少なくなったり、転職(※)をしたりしてネガティブな方向になってしまった場合は残債の額でも審査に通らない場合もあります。
(※) 転職は頻度と転職先によってポジティブに評価される場合とネガティブに評価される場合があります。
審査に通過することができないということは、融資を受けることができないということなので、当然借り換えをすることができないということになります。
2. 担保の不動産価値が残債よりも低い
借り換えも住宅ローンの一種なので、利用者に対して数千万円単位のお金を融資することになりますが、高額であるが故、必ず不動産を担保に提供することを要求してきます。
担保として提供している不動産の価値が残債よりも低い場合は、住宅ローンの審査を通過することはできません。なぜなら、担保のために提供された不動産の価値が融資の額よりも低くなってしまうと、貸し出しをする金融機関にとってはオーバーローンとなってしまい担保額に届かない部分にリスクが生じてしまうからです。
例えば、1500万円の価値の不動産を担保として提供した場合、2000万円を融資して、住宅ローンの利用者が返済不能となり、法的手段を用いて回収をはかろうとしても優先的に回収することができるのは1500万円までで、残りの500万円は回収不能となってしまいます。
マイホームを購入する際に組む住宅ローンの場合は、不動産の価値がどのくらいあるのかということを把握しているため起こることは少ないのですが、借り換えをする場合は当初住宅ローンを組んでから、一定の期間が経過していて、その間に不動産の価値が低くなっているケースがあります。しかし、利用する人はそこを気にしていないので、いざ手続きをしようとする時に金融機関側から指摘されてはじめて気づくことになります。
そのため、借り換えの手続きをする場合は、担保に提供する不動産の価値がどのくらいあるのかをしっかり把握しておきましょう。
ただ、実際には金融機関によっては柔軟に対処してくれるケースもあり、不動産の価値の2倍から3倍程度の額まで融資を受けることができる場合もあります。そのため、すべての場合に借り換えの手続きをすることができないというわけではありません。
3. 申込者の健康面に問題がある
借り換えの手続きをする場合、申込者は健康であることが必要になってきます。銀行などの民間の住宅ローンを利用する場合には団体信用生命保険に加入する義務があり、そのためには、健康面に問題がないことが要求されるからです。
このような申込者の健康面に問題がある場合は借り換えのに申込をしても融資の審査がおりなくて手続きをすることができないということになります。
ただ、すべての金融機関で団体信用生命保険に加入する義務があるわけではなく、フラット35の場合は加入が任意となっています。そのため、フラット35を利用して借り換えをする場合は、健康面に問題がある場合でも他の条件をすべてクリアすることができるのであれば、手続きができる可能性もあります。
もっとも、仮に団体信用生命保険なしでフラット35を利用することができたとしても、利用者にもしものことがあっても保障されないという大きなリスクを負うことになりますので、現実的にはおすすめしません。
4. 滞納してしまった経験
借り換えを考えている人は現在住宅ローンを利用していますが、収入が厳しくなってしまった場合や、住宅ローン以外の借入が重なって滞納してしまった経験のある人は手続きをすることができません。住宅ローン以外のローンとは、車のローンやカードローン、キャッシングなど様々ですが、携帯電話の割賦払いなども借入の一種になります。
なぜ住宅ローンやその他のローン、キャッシングなどで滞納してしまった経験のある人は借り換えの手続きをすることができないのかというと、審査に際に個人の信用情報に登録されている情報を見られて落とされてしまうからです。信用情報とは、人の借入に関するいろいろなことが登録されている情報で、どのくらいの借入をしているのかといったことや滞納をしたかどうかなどが登録されています。滞納をしている情報は当然ネガティブに捉えられてしまうので、審査を通過することができないということになります。
滞納に関する情報は、登録されてから5年程度は残ってしまうことになるので、この期間の間は住宅ローンの審査は大変厳しくなります。また、借金を支払えなくなってしまい、一部の借金を整理する債務整理の手続きをしているかした経験のある人も個人情報に一定の期間の間登録されてしまうので、借り換えは非常に困難になります。
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