北陸新幹線ルートで明暗 京都府南部「歓迎」、舞鶴は不満
北陸新幹線で未着工の福井県敦賀以西ルートで、与党検討委員会が同県小浜市から京都府内の京都駅、京田辺市を経由して新大阪駅に至る「小浜京都京田辺ルート」で最終調整する方針を固めたことを受け、府南部の自治体などから歓迎する声が上がる一方、「舞鶴ルート」を求めていた府北部の舞鶴市は不満を示した。
■12市町連携で駅誘致
北陸新幹線延伸で、与党検討委員会が京田辺市を経由するルートで最終調整する方針を固めたことについて、精華町は8日の町議会一般質問で、「府南部に駅を設置して北陸新幹線を関西国際空港へのアクセスとすることで府南部の首長が一致している」とし、ルートや新駅の場所にかかわらず府南部12市町村が連携して誘致実現を目指す考えを示した。
同町は北陸新幹線京都府南部ルート誘致促進同盟会の事務局。府南部と大阪を結ぶJR片町線については、北陸新幹線と区間が異なることから「(第三セクター移管対象となる)並行在来線になるとは想定していない」とした。
一方、経済団体や研究施設、大学、自治体などでつくる関西文化学術研究都市推進機構(柏原康夫理事長)は同日までに、府南部ルートを歓迎することを理事会で確認し、与党検討委に伝えた。
瀬渡比呂志常務理事は、ルートや駅の場所は地元自治体の負担に関わることから「推進機構として意見は出せない」としつつ「府南部ルートは、けいはんな地域の価値を高める」としている。
■「安易に決めていいのか」
一方、舞鶴市の多々見良三市長は8日、市役所で記者会見し、「沿線自治体やJRの意見は大事だが、安易に決めていいのか。全体を見渡せる責任ある方が判断すべきだ」と不満を述べた。
20日に与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームが決定するが、「最終決定まで、国益を考えて判断してほしいとの主張を続ける」との考えを示した。
【 2016年12月08日 23時30分 】