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廃炉後に研究炉、地元対策で新設…政府検討

高速増殖原型炉「もんじゅ」=福井県敦賀市で2016年9月15日、本社ヘリから梅田麻衣子撮影

 政府は、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の廃炉に向け、同県内に研究用原子炉を新設する方向で調整に入った。もんじゅのある同市内を念頭に、設置場所を今後選定する。同県が周辺地域を原子力の研究拠点とするよう、政府に求めていた。もんじゅ廃炉後の地域振興を図るとともに、原子力技術の人材を確保する狙いがある。月内に開く関係閣僚会議で計画の概要を提示し、もんじゅの廃炉も最終決定する。

 研究炉の新設は、茨城県大洗町にある日本原子力研究開発機構の高温工学試験研究炉(1998年に初臨界)以来。国内の研究炉は、同機構や大学などに14基あるが、福井県内にはない。東京電力福島第1原発事故後に施行された新規制基準に適合したのは京都大や近畿大の3基にとどまる。今後、第1原発の廃炉作業が本格化し、老朽原発の廃炉も相次ぐ中、研究炉の運転再開が進まなければ原子力技術者の実習機会が減り人材育成に支障があるとの懸念も出ていた。

 政府が検討しているのは大学の試験用研究炉のような小規模のタイプで、事業主体などを今後検討する。もんじゅについては、廃炉に向けた作業と並行し、安全技術の研究に活用する方針。新設する研究炉とセットで研究や人材育成の地域拠点化を目指す。福井県の西川一誠知事は11月25日、松野博一文部科学相と世耕弘成経済産業相に、原子力の人材育成に向けた具体策を示すよう要求していた。

 政府は同30日に開いた「高速炉開発会議」で、フランスが建設予定の高速実証炉「ASTRID(アストリッド)」での共同研究や高速実験炉「常陽」(茨城県大洗町)の活用などにより、原型炉(もんじゅ)の次の段階に当たる実証炉を国内で建設することで一致している。【岡田英、阿部周一】

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