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 キューバ政府は15日、787人の受刑者に恩赦を実施すると発表した。ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王の呼びかけに応じた「人道的配慮」としているが、米トランプ次期政権発足を前に、人権問題でのイメージアップを図る狙いがあるとの見方もある。

 同日付の共産党機関紙「グランマ」が伝えた。キューバ政府は昨年、米国との国交回復してまもなく、フランシスコ法王の訪問を受け、約3500人の受刑者を釈放した。その後、追加の釈放について国家評議会が検討し、最終決定に至ったという。

 今回の恩赦に政治犯が含まれているかは明らかにされていない。

 キューバは現在、長年敵対してきた米国との国交正常化交渉を続けているが、トランプ氏は選挙でキューバに対する経済制裁緩和の取り消しもあるなどと発言。キューバ内では、米次期政権が強硬策に転じるのではないかとの懸念が広がっている。(ハバナ=平山亜理)