日銀 長期金利上昇をけん制する措置 初めて実施

日銀 長期金利上昇をけん制する措置 初めて実施
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アメリカのトランプ次期大統領の政策への期待感などを背景に、日本でも長期金利が上昇しているため、日銀は長期金利の上昇をけん制するため、ことし9月に導入した市場から国債を買い入れる際に低い金利を指定する措置を初めて実施しました。
国債の市場では、トランプ次期大統領による政策への期待感などを背景にアメリカの長期金利が上昇していることを受けて、日本でも長期金利の代表的な指標である満期までの期間が10年の国債の利回りが、16日、およそ9か月ぶりの水準まで上昇していました。

このため日銀は、長期金利の上昇をけん制する狙いで、17日、新たな措置を実施したと発表しました。具体的には、満期までの期間が2年の国債と5年の国債について日銀は、マイナスの金利で買い入れるとし、低い金利が10年物の国債の利回りに波及することを狙っています。

この措置は、日銀がことし9月に長期金利を0%程度になるよう誘導することを決めた際に、金利をコントロールするための具体的な方法として導入されたもので、実施したのは今回が初めてです。発表を受けて国債の市場では、日銀の狙いどおりに中長期の金利が低下しています。

黒田総裁 アメリカの影響での金利上昇容認せず

長期金利の上昇をけん制するための措置に関連して、日銀の黒田総裁は参議院の財政金融委員会で、「アメリカの金利が仮にどんどん上がっていけば、当然、日本を含めて金利に対する影響がでてくる。しかし、アメリカの金利が上がったから自動的に日本でも金利の上昇を容認するということにはならない」と述べ、日本の経済や物価の動向を踏まえ金利を操作していく考えを示しました。