難しい栄養学なんて必要ナシ!
穀物:野菜:肉魚=5:2:1の理想的な献立教えます
でも栄養の話は難しい……なんて人にもわかりやすい献立の考え方を、レシピと一緒に紹介します!
働くおひとりさまにとっての毎日はめまぐるしくて、ゆっくり季節を感じる時間さえ取れないですよね。
「休日のたった1時間でいいからほっとしたい…」元外資系バリキャリから一転、丁寧な生活を目指して料理研究家になった太田みおさんが、四季の彩りを簡単に楽しむ「レシピ=歳時記」をお届けします。
秋が深まってきました。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
さて、唐突ではありますが、私の大親友が「がん」になってしまいました。30代前半、私と同年代の女性です。新たにお付き合いをはじめた彼もいて、これからの結婚や出産が楽しみ、というタイミングでの発覚です。
そして、テレビをつければ、「AYA世代のがん」(AYAとは、Adolescent and Young Adult=思春期および若い成人、の略)という言葉も聞くようになりました。
健康についてあらためて深く思いを巡らせると、やはりたどりつくのは「食事の大切さ」です。
昔から「台所は家庭の薬局」という言葉がありますが、私たちの身体の細胞は食べるもので変わります。だからこそ、しっかりとした食事を摂って、日々の活力にしたいものです。
自分の身体をもっと健やかに!
とはいえ、忙しい日々に追われ、どうしても外食が多くなってしまったり、スーパーやコンビニのお弁当で済ましてしまうこともあるでしょう。それが悪いとは言いません。
ただ、週に1度、いえ、月に1、2度でもいいから、自分の身体と向き合い、自分の手でつくる機会を意識的に増やしてほしいのです。その行動と意識そのものが、人生の健康レベルをぐぐっと底上げしてくれると思うからです。
忙しいと思います。でも、やってみませんか?
さあ、やる気が出てきたあなたに、知っておいてほしいポイントをお伝えします。
あまり難しい栄養素の話はしたくありませんので、ざっくり言いますね!
穀物、野菜、肉魚を、5:2:1の割合で
旬をまるごといただこう!
なぜ5:2:1の割合なのか? それは、人間の歯のつくりと数をみれば一目瞭然。穀物(臼歯)がメインの5、そして野菜(門歯)が2、そして魚や肉(犬歯)は1と、何をどれだけ食べるべきか、人体そのものが物語っているのです。
そして、さらに重要なポイントは「旬をまるごと食べる」こと。
旬の食材には、その季節に順応し、いきいきと過ごすための栄養素や調整力が備わっています。たとえば、秋。稲穂が実り、木の実や果物がたわわに揺れ、土のなかでは根菜類がまるまるとふくらみ、脂ののった魚たちが回遊しますよね。その季節の旬をしっかり食べるという心がけさえあれば、難しい栄養学の知識なんて、必要ないのです。
それでは、このルールにざっくり沿った献立を、1セットご紹介いたします。
闘うおひとりさまたちが、健やかに過ごせることを心から祈って!!
深まる秋の献立
●玄米ごはん
玄米2合に対して、白米を炊く時の3合分のぬるま湯と、塩小さじ1/2を一緒に炊飯器に入れると、普通の炊飯器でも美味しく炊けます。
玄米には、黒ごまをしっかりとすったものに、自然塩を少しまぜた、お手製ごま塩をかけるととても美味しく召し上がれます。
●めざし
「まるごといただく」というポイントを叶えられるのは、頭からしっぽ、そして骨まで食べられる小魚です。
●ひじき蓮根
<作りやすい量>
蓮根 100g
乾燥ひじき 50g
純正胡麻油 大さじ1
水 適量
醤油 大さじ2
黒糖 大さじ1
(人参やお揚げを加えてもとても美味しい)
1.乾燥ひじきは水洗いし、たっぷりの水に20分ほどつけて戻す。戻ったら、3cmほどに切り分ける。蓮根は、薄い銀杏切りにする。
2.フライパンにごま油をあたため、蓮根、ひじきの順に炒める。火が通ったら、ひたひたになるくらいの水を加え、2~3分煮込み、黒糖、醤油を加えて混ぜ合わせ、中弱火で水分が飛ぶまで煮込む。
※冷蔵庫で4日間ほど保存できます
●里芋と舞茸とお揚げの煮物
<4食分>
里芋2個
舞茸 100g(1パック)
油揚げ 1枚
水
醤油 大さじ2と1/2
黒糖 大さじ1
1. 里芋は皮をむき、5mm幅くらいの半月切りに。舞茸は石突きをとって手で小分けにしておく。油揚げはたっぷりの湯にくぐらせ、ぷっくりしてくるまで茹でて余分な油を落とす。水分はペーパーでしっかりと押さえとり、7mm×3cmくらいの短冊切りにしておく。
2. 鍋にすべての材料をいれ、混ぜ合わせ、味がしみるまで煮込めばできあがり。
※冷蔵庫で3日ほど保存できます
●白菜の漬け物
白菜も旬を迎えました。旬のお野菜は、漬け物や酢のものにして積極的にとりましょう。
●牛蒡とわかめのみそ汁
旬の牛蒡。牛蒡は土を洗い落としたら、ささがきにします。味噌は、白よりも赤のほうが栄養素が数倍高いのでおすすめ。だしを引けない場合は、化学調味料無添加のだしパックなどを使うといいでしょう。