HOME > レビュー > 秋のヘッドフォン祭2016速報 MQAのボブ・スチュワート氏が 対応ハード&ソフトの今を解説
2016年10月24日/Stereo Sound ONLINE 編集部・草野晃輔
英国メリディアン創設者のひとりで、MQA(Master Quality Authenticated)の開発者であるボブ・スチュアート氏が来日し、「秋のヘッドフォン祭2016」で「『止まらない進化、ハイレゾ技術MQA』ハード&ソフトの最新動向」というテーマで講演を行なった。
ボブ・スチュアート氏はMQAの生みの親にして伝道師でもある。頻繁に来日し、イベントやMQA対応ハードの発表会などに参加、その仕組みや魅力を紹介している。本講演でも、MQAの特徴について「『クォリティ』『コンビニエンス』『コンパチビリティ』がある」と語り、ハイレゾ音源と同様のクォリティでありながらファイルサイズを数分の一にできる点を紹介。また、単にレゾリューションが高いことだけでなく「従来のデジタル→アナログ変換で生じていた時間軸の音のズレを人間の聴覚の限界までなくしたことで、スタジオマスターと同様の自然なサウンドを実現した」と、いい音と評される理由を話した。また、この1年のMQAの歩みに触れ、「5月にRIAA(米国レコード協会)が高音質のストリーミング配信にMQAが認定された」とし、世界中でMQAの可能性が広がっていることをアピール。日本でも多くのメーカーがMQAを採用していると話し、10月1日に対応機器をリリースしたクリプトンの渡邊 勝氏にバトンを渡した。
渡邊氏は、10月1日に発売したMQA対応の一体型オーディオシステム「KS-9Multi」を紹介。本製品はUSB DACを内蔵したアクティブスピーカーのKSシリーズで最上位となり、MQA/リニアPCMは最大192kHz/24bit、DSDは2.8MHzを再生できる。また、同じく10月1日に同社のハイレゾ配信サイト「KRIPTON HQM」でMQAタイトルの配信が始まったことに触れ、「10月に10タイトルの配信が始まり、11月に10タイトル、12月は10タイトル以上の追加を予定している」とし、今後もMQA音源に力を入れていくとした。
続いて、音楽配信サイトe-onkyo musicの黒澤 拓氏が登壇。同サイトで4月にMQA音源の取り扱いをスタートし、10月22日時点で2,389曲が配信されていると明かした。これからのタイトルについて具体的には言えないとしたが、「レーベルは音質とポータビリティを理解しており、聴取できる機器の増加とともに、広がってくるはず」と展望を述べた。さらに、グループ企業のオンキヨー&パイオニアがMQA対応のポータブルDAPを発売していることに触れ「本体だけでPCレスに音源を購入できる」と便利さをアピールした。
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