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二兎を追う者マツタケ発見

そんな結末があってもいい

裸で寝ると睡眠の質が向上する?やってみたら予想外の結末に。

健康 エッセイ

 裸で寝るのが健康にいいという。人生の3分の1は寝ているということを考えると、すなわち人生の3分の1を裸で過ごすことになる。人生の3分の1は裸。なんとも自由奔放な印象を受ける。果たして、衣服を身に着けずに寝るだけで睡眠の質が向上するのだろうか。

 

  • 衣服による締めつけからの開放
  • 体温の低下

 

というのがその根拠のようだ。

以下、その詳しい説明と、ぼくが実際に裸で寝てみた感想が書いてある。

 

1.衣服の締めつけ

 なにも西洋貴族の女性が着けていたコルセットのようなものでなくとも、ぼくらが普段着ている衣服はけっこう体を締めつけている。下着を脱いだとき、ゴムひもの跡が残ってはいないだろうか(ふんどし愛用者の場合は紐跡)。眠っている時間は長い(あなたがエジソンのようなショートスリーパーでなければ)。そうしたわずかな圧迫すらも、長時間続くことで確実に肉体的なストレスとなるのだ。

 

 こうした締めつけから開放されることで、よりリラックスして眠ることができる。さらには、締めつけがないおかげで血流も良くなる。まさに一石二鳥。

 

2.体温の低下

 お風呂は就寝前に入るのがベストだと聞いたことがあると思う。これは人間が眠くなるメカニズムに基づいている。メカニズムとは、体温が下がったときに眠りにつきやすくなる、というものだ。

 

 裸で寝ることで、この状況を自ら作り出すことができてしまう。それまで着ていた衣服を脱げば、誰だって体温が下がる。そのままベッドに入ることで、スムーズな入眠が実現するというわけである。(睡眠サポートサプリ。【機能性表示食品】リフレのぐっすりずむ )

 

全裸でホットミルク?

 衣服を脱ぐというのは、マイナスの考え方。一方で、プラスの考え方もある。それがホットミルク。ホットミルクを睡眠の15分ほど前に飲むことで、一時的に体温が上昇し、その後緩やかな下降とともに眠りにつくというものだ。

 

 ならば、これらを組み合わせたらとんでもなく眠くなるのではないだろうか。ホットミルクを飲んでからのスッポンポン。一気に体温を上げてからの、急降下。まるで富士急ハイランドにあるジェットコースター、フジヤマのよう。内臓が浮き上がるような急降下。ただし、逆はダメ。これはもう、まったく意味がない。つまり、裸になってからホットミルクを飲むという方法。冷えた体をただホットミルクで温めているだけ。プラスマイナスゼロ。しかも、裸で牛乳をコップに注ぐところを、寝たと思っていた家族に目撃されるリスクもある。恐ろしい。そんな危険を考えたらドキドキで交感神経がフル稼働してしまう。もう、レンジの前で心臓バクバク。「誰も来ませんように、誰も来ませんように。」興奮状態。寝られん。本末転倒。寝られん。

 

たろきち裸で寝る

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 試しに裸で寝てみた。まず、脱衣所でもないのに服を脱ぐ違和感。裸で部屋をうろうろする背徳感。やはり慣れない。そのままベッドに入って、こう思った。「これ、汚くないか。ポテチをつかんだ手の油をズボンで拭くくらい、汚くないか。」そう、裸で寝るということは、おしりやその周辺がダイレクトにシーツと触れるということ。そして体の前面もこれまた掛け布団と接触してしまう。肌触りがよくとても気持ちがいい一方で、なんだか汚い気がしてしまう。確実に、シーツと掛け布団を洗濯する頻度は増える。あと、ウォシュレットの使用時間も増える。便器の前で上下に揺れる時間も増える。

 

 ただ、これまで味わったことのない心地よさがあった。人間が本来あるべき姿は裸なんだな。これはクセになりそうだな。そんなことを考えていたら、いつのまにか眠っていた。

 

 

チュンチュン…チュンチュン!

朝。

カーテンを開け、掛け布団を押しのけると、差し込む太陽の光がぼくの裸体を照らす。心地よい目覚め。

 

 

 

 

 

 というのが理想だったのだが、実際に起きたのは丑三つ時。すなわち、夜中の2時。なぜって、寒いんじゃボケ!寒すぎるわボケ!信州の夜の寒さを完全になめていた。風邪引くわ、どアホ!よりによってお化けが出る時間かよ、どアホ!

 

 というわけで、睡眠の質を高めるどころかむしろ寒すぎて目が覚め、その質を大幅に低下させる結果となった。真っ暗闇の中、カーテン越しに差し込む月明かりだけを頼りに、ぼくは衣服を着た。とても情けない気分になった。何をしているんだぼくは。そして翌朝、ズボンを後ろ前逆に穿いていたことに気が付き、さらに情けない気分になった。幸いにも、下着の向きは合っていた。

 

ことわざ

まるでことわざになりそうな出来事だ。

 

 昔、信州に住む若い男性が深い睡眠を得ようとして裸で寝たところ、寒さで夜中に目が覚めてしまいかえってよく眠れなかったことが由来。『裸寝途起(らしんとき)』ってな感じで。「本末転倒」の類義語、ここに誕生。

 

余談:ダイエット効果

 裸で寝ると、ダイエット効果もあるらしい。消費カロリーが増えるんだとか。テレビでも活躍するラーメン評論家の石神秀幸氏は、毎日3食ほぼすべてが外食。塩分、糖分、脂肪分が多そう。太りそう。しかし、彼は標準的な体型をしている。そして驚くべきことに、運動はほとんどしていないんだとか。そんな彼の体型維持の秘訣は、裸で長時間寝ること。これだけ。裸でぐっすりたっぷり寝る。なんてラクなんだろう。夢のような話だ(睡眠なだけに)。

 

後日談

 その後ぼくは再チャレンジした。前回と同じ轍は踏むまい。そう心に決めて、分厚い毛布を用意した。ずっしりと重量感のある、もこもこのやつである。かかって来い、信州の夜の寒さ!ぼくは負けない!裸で寝てやる!分厚い毛布よ!ぼくを夜の寒さから守ってくれ!

 

 

 

 

 

暑くて眠れなかった。

 

それではみなさんごきげんよう。