細川家の軍師、松井康之を描く 京都・京丹後の男性が小説に
京都府京丹後市久美浜町三谷の増馬広之さん(57)が、戦国期の久美浜を治めた武将松井康之を題材にした小説「古城山物語」を出版した。農業を営みながら約2年かけて書き上げた作品で、「久美浜のまちづくりを進めた人物を知ってほしい」と話す。
■ナンバー2に徹した生き方にほれた
松井は戦国大名の細川藤孝(幽斎)・忠興親子の家臣で、筆頭家老や軍師を務めた。藤孝が丹後国を治めたのに伴い、久美浜の領主を任された。
増馬さんは10年ほど前に幽斎らをテーマにした講演を聞き、地元にゆかりの深い松井を知った。作家司馬遼太郎さんらの小説にも登場する松井の「生涯をナンバー2に徹した生き方に魅了された」。
熊本県の八代市立博物館の資料や多くの作家の小説などを参考に執筆。久美浜小近くの古城山に城を置き、農民を大切にしつつ、荒廃した神社仏閣を再興するなどした松井の業績をつづった。明智光秀が本能寺の変を起こし、弥栄町味土野に隔離された忠興の妻で光秀の娘の玉子(ガラシャ)を支える姿も描いた。
増馬さんは「松井康之の名を聞いたことがあっても、どんな人物かを知らない人は多い。久美浜にすごい武将がいたことを知ってもらえれば」と語る。
200部を製本し、希望者に無料で贈る。連絡は増馬さんの携帯電話090(8987)8625。
【 2016年08月28日 13時00分 】