これは間違ってますね。
文章ってどれだけ書いても上手くならないんだってよ。 : 徒然悠々
書けば書くだけ、うまくなりますって。
文章って、たくさん書くと上手になるとか、ないんだよね。文章は、生まれつき。コピーライター23年やって先輩も同年代も後輩も新入社員も、文章でお金稼いでる、いろんなレベルの人1000人は見てきたからこれホント。
— 田中泰延 (@hironobutnk) 2015, 7月 15
まぁ、この方はコピーライティングの世界について語っていると思うので、その意味においては間違っていないのかもしれません。
が!「たくさん書くと上手になるとか、ないんだよね」という一文は、ぼくの経験上、明らかに誤謬です。
たくさん書いて上手くなった人を、山ほど見ていますよ。かくいうぼく自身も、数をこなしたおかげで、だいぶ筆力があがりました。アシスタントのサトモトさんとか最初はひどかったけど、いまは普通にライティングで食えるレベルまで上手くなりましたw 1年くらいでこの上達、すばらしいですね。
なんでしょうね、ちょうど「音楽」とか「スポーツ」と同じですよ。楽器だって練習すればするだけうまくなりますよね。舞台に立てば立つほど、度胸も即興力も付きます。スポーツも同じで、練習すれば成績は上がりますし、試合に出まくれば勝ちやすくなります。「文章を書く」という行為も、同様に、やればやるだけ上達するんです。
文章の上手い下手ってなんだろう?
まぁ、そもそも文章の上手い下手ってなんやねん、という話でもある。「読みやすいか」は大前提で。「文体を持っているか」「幅があるか」「個人が前面に出ているか」「市場を見ることができているか」とかかな。
— イケダハヤト (@IHayato) 2015, 12月 9
とはいえ、ここでいう「うまくなる」が何を指しているかは、よく整理したほうがいいでしょう。ぼくは上記の要素が「文章の巧拙」の基準になると考えています。
読みやすさ。
まずは「読みやすさ」。当たり前の話ではありますが、案外ここができていない人は多い。
はてなブログあたりだと、鬱屈した長文をだらだら改行なしに書く、なんか病んでるっぽい文章が多いです。アメブロはその逆で、改行だらけでスッカスカ、そしてなぜかフォントが極小というブログが多いです。いずれも読みにくいので、ぼくは開いた瞬間、読まずに離脱します。
文体の有無。
続いて「文体を持っているか」。その人らしさが文章から、創作物全体からにじみでているか、ということですね。
これは説明が難しいんですが…ぼくのブログを読んでいる人は、なんとなく、ぼくの文章の「感じ」が好きで読んでくださっていると思うんですよね。ちょっと独特の何かがありますよね…うん、多分。
その人それぞれの「感じ」をうまく演出できているかが、文章の巧拙を決めるもっとも重要なパラメータです。これ、抽象的なので初歩クラスの人にはちょっと伝わらない話です。いろいろな作家の文章を読むと、「あぁ、この人の文体は好きだ」という経験が蓄積していくので、よくわからない方はひたすら読んでみましょう。
ちなみに、ぼくは池田晶子氏の文体が好きですね。実はかなり影響受けてます。
個人として書いているか。
「当事者意識」とでもいえばいいのか、誰が書いても同じような記事しか書けない人もいますね。
これは「文体」とも関係しますが、読み手が「書き手の存在」を感じることができる内容になっているか、これが大切です。「自分が書かなくてもいい記事」をいつまでも書き続けている人は、上達が遅いです。
自問自答しましょう。あなたは、あなたしか書けないこと、あなたが書くべきことを、書く必要があるのです。
市場へのフィット感。
まさしくこれ。「マーケット感覚を身につけよう」。書き手でありつつ「マーケター」としての才覚も有しているかどうか、これが重要です。
ぼくは市場へのフィットはかなり上手いほうで、実際、市場を見ながら自分を最適化しています。すんごいざっくりいえば、ぼくは「これから移住、地方が話題になると思うから、高知の限界集落に移住した」んです。高知を選んだのは、「高知を選んだら、みんな面白がってくれそうだから」です。
そんな感じで、ぼくは「マーケットありき」で、キャラを作っている部分があるんですね。これはぼくの特殊能力というか、特殊な体質だと自負しています。人の目を気にして生きてきたもので…。
ぼくはある種マーケットを見過ぎな感じもありますが、多くの人は、そもそもマーケットを見る能力がありません。ゆえに、見当違いな努力を続け、いつまでも成果が出ません。
ひたすら書けば磨かれます。
こうした能力は、毎日のように記事を書いて、反応を見て、試行錯誤していけば、自然と身についていくんですよ。
ぼくは毎日アクセス解析とにらめっこして、マーケットを研究して、コンテンツを改善しています。もうほんと、妻から呆れられてます。ずっとこの見てますから。
その意味で、冒頭の「たくさん書くと上手になるとか、ないんだよね」という発言は、こう修正すれば、納得ができるものになります。
「たくさん書けばそれだけで文章が上手になるとか、ないんだよね」
そう。ただ書いてるだけじゃだめです。反応を見て、コンテンツを改善していくのが大切です。マーケットを見ながら、好奇心の赴く範囲で、新しい実験を繰り返していくのです。
そういう話でいうと、ぼくは最近ネットラジオやりましたよ。こういうのも、実験のひとつです。
聴きました👍路上でやるのがすごい→RT @IHayato: アップできた!超テスト版です。音声バランスが悪いので、対策しないとダメですね。ぼくの声がでかい。 / ブロガーラジオ企画:テスト放送 by Hayato Ikeda 3 https://t.co/SydUfyHRVU
— はあちゅう (@ha_chu) 2015, 12月 9
コンテンツの世界は深いのです。市場に出て、自分を試しましょう。その繰り返しでしかありません。