八月二十七日
エレベーター前に3歳くらいの女の子がいた。
一人だった。
少しの間だけ見ていたがエレベーターに乗るつもりはないようだ。
何をしているのだろうと心配になり話しかけた。
「どーしたのー?何してるのー?(^^)」
相手の目線までしゃがんで、ゆっくりと分かりやすい言葉を選んで話しかけた。
「パパまってるの!」
「そうなんだぁ。エレベーターで来るの?(^-^」
「ううん、かいだんでくるのぉ!」
「階段で来るんだねー!\(^^)/」
なら階段の前で待てよ、と思いつつ心配なので父親が来るまで不審者に思われないように少しだけ距離を置きつつ見守っていた。
数分後、父親が階段から上がってきた。
眼鏡をかけた四十代くらいの優しそうな男性だった。
女の子は走って階段のところまで近寄った。
何のためにエレベーター前にいたのさ、と思いつつ、「よかったねぇ、パパ来たね!」
「うん!(*^ー^)ノ♪」
父親は話の内容はわからずとも会話していたのは聞こえていたようだ。
「いやー、すみません。見てもらって。」
私は軽く頭だけ下げて立ち去った。
背中越しに親子の会話が聞こえていた。
「さっきね!お話していたの!」
「そうなんだ、何を話していたの?」
「んっとねー!○○○」
ここからは具体的に何を話していたのか聞こえなかった。
これくらいの小さな子供は本当に可愛いなと思った。
ほんの少し接しただけで癒され心が暖かくなる。