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53∞のブログ

―隠居倶楽部―

20XX年のビーンボール(※ネタ記事)

コメディー

僕はバッターボックスに立った。
スタンドからは罵声混じりの声援が聞こえる。
「やれやれ。悪くない。」

 

 

 

時は20XX年。夏の甲子園
僕達、春日部トレンディ―高校は
決勝戦まで駒を進めた。

 

 

 

 

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僕が野球を始めたのは10歳の時。
野球人生としては始めるのが遅かったかもしれない。
だけれども、メジャーリーグでイ〇ローが3000本安打
達成した時の高揚感が忘れられなかった。

 

 

 

物心がついた時に与えられた遊び道具は
プラスティック・バッドだった。
父は僕によくいったものだ。
「お前のスイングには人を幸せにする力がある。
一生、素振りをし続けなさい。」
その言葉を信じて一日1000回の素振りを
欠かした事は無い。

 

 

 

雨の日も風の日もだ。
そして、僕は今この舞台に
立っている。

 

 

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ピッチャーが振りかぶって球を投げてきた。
しなるような腕使い。

 

長身のその投手は東京都代表の
高校球界の宝と呼ばれるササニシキ・コジロウ。
僕の最大のライバルだ。

 

 

時速155kmの速球がキャッチャーミットに
吸い込まれていく。

 

 

「ストライク!」

 

 

審判の声が聞こえる。

 

 

だが、負けるわけにはいけない。
今日この日この瞬間の為に僕は
毎日1000回の素振りをこなしてきたのだから。

 

 

僕は予告ホームランのポーズをした。
世間は20XX年の夏。

 

 

僕達の夏がもうすぐ終わろうとしている。
終わらせたくない、この想い。

 

 

 


ネバー・エンディング・サマー。

 

 

どうか、終わらないで欲しい。

 

 

ネバー・エンディング・サマー。

 

 

どうか、終わらないで欲しい。
(サビ繰り返し)

 

 

 

 

~完~