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【シン・ゴジラ】
樋口真嗣監督がエヴァンゲリオンの盟友・庵野秀明総監督を語る 「破壊しながら前に進む。彼こそがゴジラだった…」
無駄をそぎ落としたシンプルなストーリーと、徹底したリアリティーの追求で公開以来、高い評価を集めている映画「シン・ゴジラ」(庵野秀明総監督)。興行収入は8月19日時点で40億円を記録している。庵野総監督の長年の盟友であり、今回、監督・特技監督を務めた樋口真嗣さん(50)に製作の裏側を聞いた。
《樋口監督と庵野総監督は、テレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」などの制作会社「ガイナックス」の創設メンバーであり、親交は30年以上に及ぶ》
僕が参加したのは、庵野総監督がゴジラの企画を依頼されて、悩んでいる時期(2013年春頃)。その段階ですでにプロット(物語の骨格)ができていて、それがとても面白かったのが自分にとって、最大の動機だった。それで「やろうよ、やろうよ」と言った。庵野秀明らしいゴジラを一緒に作りたかったんです。
だけど、現場は大混乱でした。撮影では、僕がまずいろいろと決めて、庵野総監督が気に入らなければ修正をしていくのですが、みんなが彼に振り回されて大変でした。
庵野総監督は記憶力が抜群に良い。何十テイクも撮っているのに、「3テイク目が一番良かった」などと言う。「テストの方が良かった」っていうのが一番困りました。「撮ってない」と答えると、「なぜだ!」と怒る。だってテストじゃん(笑)。それ以降、テストでもなるべくカメラを回すようになりました。