ある日、ツイッターユーザーが投稿した、きれいな青色のジャムと紅茶の画像が注目を浴びた。
青森が幻想的なジャムと紅茶をつくりました。綺麗な青。
ジャムはりんご味です。青い色は天然の花でつけています。
目新しい青森土産としていかがでしょうか?撮影などでも使えそうです
#青森#りんご#ジャム#紅茶 pic.twitter.com/tsxcgCl47c— Chiho (@breakdoll1106) 2016年7月29日
Twitter/@breakdoll1106
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@breakdoll1106 紅茶自体の味は薄めなのでジャムを少し入れるとちょうど良い甘さになります
ジャムを中に落とすとゼリーのようで綺麗ですよ珍しいものなのでおもてなしにもぴったりですね。 pic.twitter.com/RgTIVEGjDz
— Chiho (@breakdoll1106) 2016年7月29日
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「どこで売っているんですか?」、「素敵な色でびっくり!」との声が飛び交った。
商品名は「青い森の天然青色りんごジャム」「オーガニックアンチャンブルーティー」というもので、投稿した方によると青森の中三デパートで購入したという。
販売元や関係企業を確認してみると、このジャムと紅茶は青森とタイとの架け橋になるプロジェクトから生まれたものだった。
青森とタイをつなぐ事業が誕生
「青い紅茶とジャム」が誕生したのは、青森県内で英会話教室を経営する小山優子さんが「タイの魅力を日本に伝えたい」というタイ人留学生と交流する中で、日本とタイとの架け橋になる事業を始めたいと考えたのがきっかけ。
青森県の特産物であるりんごやにんにくなどを使った調味料などをタイへ輸出し、高品質な青森産の品物を知ってもらう。
青森では「アンチャン」と呼ばれる青い花を乾燥させたハーブティーを輸入し、アンチャンティーはじめ青森の観光土産となる加工食品に使用していく、という事業だ。
こちらは乾燥させたアンチャンの花。
青森県中小企業団体中央会提供
アンチャンをタイの農村部から輸入し販路を作ることで、タイの経済格差の是正の助けになる。そして青森の優れた加工食品をタイにも広め、青森の中小企業の活性化を目指していくのが狙いだ。
食品への着色テストを実施
アンチャンという花は美しい青色の花びらを持っていることが特徴で、天然の素材で食品にも着色できることを確認できたという。
青森では、みやげ品に青色を活用したいというニーズが存在しており、天然着色料であるアンチャンは求められているものだった。
青森県中小企業団体中央会提供
従来の天然着色料は熱で色が変化してしまうが、アンチャンは熱や光でも退色することなく保っていられるという大きなメリットもあり、食品加工にはぴったりの天然着色料だと言える。
アイスクリームやチョコレート、麺やご飯への着色テストを行い、いずれも成功したという。
青森県中小企業団体中央会提供
こうして、青森とタイも共に発展させたいという思いの中で生まれたのが「天然青色りんごジャム」と「アンチャンティー」だった。
人気が高まり、商品は品薄状態に
アンチャンを用いて作られたのは青い紅茶とジャムのほか、クッキーもあり、その色の美しさ、珍しさからメディアで取り上げられるようになった。
青森県中小企業団体中央会提供
さらにネット上でも話題になったことで、青森県農産品加工協同組合の「あおもり正直村」のブログには、「どこで買えるのか」「通販はできるのか」といった問い合わせの書き込みが増えた。
青森県中小企業団体中央会の古川博志さんによると、通販サイトは現在製作中で、決済システムの構築などであと2ヶ月程度かかる見込みとのこと。
また、青森県内で販売されている店舗も紹介していただいた(2016年8月現在)。商品は品薄状態とのことで、地元の人はもちろん、観光で青森を訪れて見つけた時はすぐ購入しておいたほうがよさそうだ。
古川さんは、
「生産体制が整い、十分な供給体制になりましたら、県外は青森県のアンテナショップ等で取扱いしたいと思います。また、全国の水族館様、プラネタリウム様向けの商品を開発中です」
と話してくれた。
まだ少し時間はかかりそうだが、青森の良さが伝わる一品がいずれ日本全国に出回る日がやってきそうだ。
青森県内での取り扱い店舗
中三青森本店(青森市)、さくら野青森本店(青森市)、さくら野弘前店(弘前市)、土産品店:青森ふるさとショップアイモリー(青森市)
8月中旬より:三春屋(八戸市)、中三弘前店(弘前市)