ガチオタAV
先日、こちらのAVを観ました。「この美熟女はガチオタでした!漫画・アニメへの愛が深すぎる井上綾子様が、オタの本性むき出し!最終的にチ●ポ堕ち!」です。
とってつけたような「最終的にチ●ポ堕ち!」が良い味出してますね。
女優がガチのオタクというコンセプトのAV観たら、本来なら性的な話がメインになるインタビューで、ビックリマンのアリババ神帝の話をしたり、「ウォーズマンと結婚したくてソビエトに行きたいんですよ!」「私ジョジョ2部がリアルタイムで〜」と言い出した始めたりで、初めて好きな女優ができました
— にゃるら (@nyalra) 2016年8月9日
ジャケット右下では「またまたやらせていただきましたァん!」とジョセフのセリフが使われていますが、女優の井上綾子さんはジョジョを3部までしか読んだことがないのがコンプレックスらしく、サイボーグ009の名言「ジョー! きみはどこにおちたい?」のセリフを知らなかったスタッフに対し、「私がジョジョを読んでないのと同じくらい恥ずかしいことですよ! (私が読んだのは)ジョジョは3部まで、脚がグンバツの女のとこです」と哀しく語るシーンがあります。その後に井上さんが「ゴージャス☆アイリンとかも知ってますよ!」と語るのを聴いて、スタッフが「あぁ武装ポーカーとか……」と漏らしたりと、基本無知というスタンスのインタビュー側も、異様なタイミングで乗ってきたりするのも今作の魅力です。
綾子さんの場合リアルタイムで2部まで読んでいたそうなので、色々あってジョジョに乗れなかった経緯があったのでしょう。濃いオタクが逆に基礎教養になっているような作品を知らない事を告白するのは、さぞ胸が痛んだことと察します。しかもAVのインタビューシーンでですし。
この一例だけで、井上綾子さんがどれだけ濃いオタクか理解して貰えたと思います。それでは肝心のセックスシーンはガン無視して、彼女のインタビューシーンの濃いオタク話を紹介していきます。
余談ですが、僕は昔中古本屋でサイボーグ009を全巻立ち読みした際、「ジョー! きみはどこにおちたい?」の巻だけAmazonで新品を購入するという、超ミーハーな行為をした跡が本棚にあります。
恐らくAV一濃いオタク話
冒頭のノルマ的なセックスシーンをこなし、インタビューシーンが始まります。セックスシーンでは特に言及するようなセリフなどは無かったのですが、射精した後のコンドームに愛おしそうなキスをするシチュは、何かで使えるぞ! と思いました。同人作家さんなどは参考にして下さい。
・オタクはみんなそう言う
インタビューシーンでは、スタッフさんの「井上さん結構オタクらしいじゃないですか?」から、オタク話が展開されていきます。スタッフの意表を突いた質問に対し、「そんなこでもないですよ。すごい人はもっと居ますから……」と謙遜する井上さん。そこで「オタクの人はみんなそう言うんですよ」と的確な返しができるスタッフが強いです。
と言う訳で「どういうジャンルが好きか?」と、初歩的な質問から入ります。通常のAVの場合、「緊縛やアナル攻めとか~」と女優に言わせるのでしょうが、このAVはそんな在り来りな作品ではないです。訊かれた井上さんは「時系列順に言った方がいいですか?」と、この時点で強オタクオーラを纏った返答がきます。北斗の拳なら赤オーラが見えているところです。
・井上綾子さんのオタク遍歴
「(時系列順では~)キン肉マン、キャプテン翼、聖闘士星矢、ビックリマン、本とか出してないんだけど逆転裁判、神羅万象っていうビックリマンみたいな……のシリーズ、真・女神転生……、イナズマイレブンかな」
と、待ってましたと言わんばかりに語り始めた井上さん。上3つを見る限り、最初はジャンプっ子だった事が伺えます。逆転裁判を挙げる際に「本とか出してないんだけど」と補足するのが、また強そうですね。ビックリマン→神羅万象の流れも拘りを感じられて良い。
恐らく長年ビックリマンを追ってきて辿り着いたのが、神羅万象チョコだと思われるので、「アスタ姐さん見て青肌の良さわかった!」なんて底の浅そうな話を語ったら、心の底から軽蔑されそうな勢いがあります。
因みに聖闘士星矢では、ドラゴン紫龍がキャラとして好きで、カップリング的には氷カミュなどが好きだそうです。リアルタイムならではの星矢語りは必聴です。
・騎神アリババへの愛と500Pの同人誌
話は井上さんが描いていた同人誌に入ります。井上さんはビックリマンで同人活動を行っていて500ページは描いたと話し、それを聞いたスタッフたちも「俺達もビックリマンを集めてましたよ! 少年のキラキラした瞳で!」と乗ってくるのですが、それに対し「私社会人に近い歳でしたけど、コロコロコミックで(ビックリマンを)読んでいましたよ」と、静かに熱く対抗してくる井上さんが素敵。
ビックリマンでは「騎神アリババ」が好きという井上さん。それを聞いて「え? じゃあ彼を本の中で弄んでたんですか? 馬の交尾じゃないですか!」と反応するスタッフもおかしいです。このセリフだけだと、こち亀の中川のツッコミっぽいのもツボ。
井上さんもそれには反論も用意していたらしく、正しくはアリババが進化し2本脚になったアリババ神帝にハマった経緯と、彼の魅力をスタッフに力説します。恐らくAVで初めて「騎神アリババ」や「神帝軍団」という単語が出てきた瞬間です。因みにBL的な要素でなくイラストとして、ケンタウロス状態のアリババは好きだそう。アリババと絡ませていた相手は、「神帝ピーター」だそう。この時に描いたビックリマン本は400~500ページに及ぶという、気合の入りようも聞けます。この時に得たPhotoshopの知識が、ツイッターのアイコンや撮影会の資料などに活かしているという良い話もあります。
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・井上さんの同人誌とモブレ
自作のイナイレ同人誌を用意してくる井上さん。この時に作品名は不味いのでタイトルは略したりぼかせとスタッフに注意されるのですが、井上さんは昂奮すると度々出してはいけないワードを口に出したりします。かわいいですね。モザイクが局部や背景以外で使われる珍しいシーンな気もします。
右の本は三角関係モノらしく「わたし三角関係とか寝取られとか当て馬とか大好きで……」と、どんどんテンションが上がっていく井上さん。ビックリマンの話には世代的には乗れていたスタッフたちも、この辺からリアルに引いてきます。
その後もうっかり出した「モブレ」という単語に反応したスタッフに対し、「好きなキャラがモブおじさんにレイプを~」と解説するハメになった井上さん。この辺りは凄い活き活きしているので、見ていて元気が湧いてきます。
他にも少年漫画に出てくる実際に年齢が上という訳ではない老けキャラが好きという話になり、例えに出てきたのが例によってキャプテン翼の次藤くんなのがツボでした。
そこでスタッフが「翼と岬が好きじゃないんですか?」と素で驚いているのも、彼がそれなりに理解がある事が伝わり、好ポイントです。キャプ翼は当時氾濫したBL同人誌に作者がキレたりと、良くも悪くも大手だった時期があり、井上さんはその激動の時代を生きた貫禄ある話が聞けます。
・最近の井上さん
そんな井上さんへのインタビューも終盤になり、最近井上さんがハマっている作品の話に。腐的な目線では「血界戦線」だそうですが、一般的なオタク目線では「アイマス」にハマっているらしく、純粋に好きでオタクの欲望に塗れた同人誌などもできれば読みたくない程だそう。
ここでも「女の子をプロフィールして育てて~」という井上さんの解説に対し、「プリンセスメーカーみたいですね。ガイナックスが作ったんですよねアレ」と乗ってくるスタッフの謎のオタク知識が披露されます。井上さんも「そうなんですよ、赤井孝美さんがキャラデザを~」と乗っかり、AVで初めて「赤井孝美」さんの名前が出てきた瞬間を観測できます。余談ですが、僕はプリンセスメーカーだとシスプリの「天広直人」がさんがキャラデザを努めた4が好きです。
他にも美少女アニメだと「神無月の巫女」や「クイーンズブレイド」が好きだという話に変わり、「クイーンズブレイド並のおっぱいの人いる訳ないだろと思っていたんですが、この業界の女優さんはみんなクイーンズブレイドみたいな乳をしていて、ラピュタは本当にあったんだ! と感動した」と早口で語りだします。女優さんたちも自分の巨乳がメロンや風船ではなく、クイーンズブレイドと比較される事は稀ではないでしょうか。その後テンションが上がりきった井上さんはラピュタの主題歌を口ずさみますが、「歌は止めて下さい!」とスタッフからガチ目に注意されます。
その後「井上さんもおっぱい綺麗ですよ。美乳ですよね」とスタッフにフォローさら、まさかのクイーンズブレイドから一般的なAVのインタビューのような会話に発展します。それから電マを当てたりなどして、普通のセックスシーンに入るのですが、さっきまでビックリマンやイナズマイレブンに対し熱く語っていた方が犯されるという映像は、普段AVには興味がない僕も感動するモノが込み上げてきました。
因みにセックスシーン中に何故か「村田蓮爾」という名前が出てきたりなど、井上さんの切っても切れないオタク知識が伺えます。他の作品ではセックス中にオプティマスプライムについて語るとか……。今後もこの路線で活躍して欲しいです。
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オマケ
如何でしたでしょうか。オタクをステータスに活動するアイドルなどは多いですが、ここまで濃い経歴と経験がある人は希少だと思います。セックスシーンはともかく、BLについての数十年分の想いや拘りを生で観られる作品というのは、とても貴重な映像でしょう。
他にも井上さんは熟女女優として、こういった作品にも出演なさっているのですが、何故かこの作品、下の方にテンション上がったのか監督の年齢まで明記されています。視聴者にとって全く要らない情報です。
因みにAV女優の「つぼみ」さんは、何度もライブへ通うほどのKOTOKOファンだそう。
@nyalra ちょっと方向性違うかもしれませんが、出演作が1000本以上の超有名AV女優「つぼみ」嬢はKOTOKOの大ファンでKOTOKO全国ライブツアーにも追っかけするレベルなのでどこかこの方面を語った作品は無いものかと思いますが有名過ぎてその点に全く触れられません
— センセイ(べ・一文字) (@beyyang128) 2016年8月9日
こういった明らかに需要の少ない作品を企画してくれたAVメーカーと、全くAVには関係ないオタク語りを披露してくれた井上綾子さんに感謝……。