安保理 北朝鮮の非難声明見送り 中国が慎重姿勢

安保理 北朝鮮の非難声明見送り 中国が慎重姿勢
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北朝鮮が弾道ミサイルを発射し日本の排他的経済水域に落下したことを受けて対応を協議してきた国連の安全保障理事会では、中国が慎重な姿勢を崩さないことから北朝鮮を非難する声明の発表を見送ることとなりました。
北朝鮮は今月3日、中距離弾道ミサイル「ノドン」とみられるミサイル2発を発射し、1発が東に1000キロほど飛んで秋田県の沖合およそ250キロの日本の排他的経済水域に落下したと推定されています。
国連安保理では日本の要請を受けて緊急の会合を開くなど北朝鮮への対応について協議してきましたが、国連外交筋によりますと、アメリカが発射を非難する報道機関向けの声明の草案を各国に提示したのに対し中国が慎重な姿勢を崩していないということです。
また、発射を非難している安保理のほかの数か国からも北朝鮮を刺激することは避けるべきだという意見が出てきたということで、国連外交筋によりますと、安保理では声明の発表を見送ることになったということです。
中国の姿勢について別の外交筋は、アメリカの最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」の韓国への配備に強く反発していることが影響しているという見方を示しています。
北朝鮮のミサイルがはじめて排他的経済水域に落下したことで、日本はアメリカ、韓国と連携して厳しい声明の採択を目指してきましたが、安保理が一致した対応を示すことの難しさが浮き彫りとなりました。