「本番がすべて」
これはスポーツや仕事など、あらゆる場面で言われる言葉です。
どれだけ練習で力を発揮できていても、本番できちんと力を発揮できなければ意味がありません。仕事をしていて、「練習ではあれだけ上手くいっていたのに」と悔しさを感じた経験は皆さんあると思いますが、それが自分の実力なのです。
では、本番で自分の力を発揮するためには何が1番必要か。それは“準備”です。準備の重要性はかねてより言われており、“準備ですべてが決まる”という言葉があるほどです。今回は、メジャーリーグで活躍し、42歳になった現在でも数々の記録を打ち破っているイチロー選手の、準備に対する姿勢を見ていきましょう。きっとそこには“仕事のできる人”になるために欠かせないエッセンスが詰まっているはずです。
“言い訳をしないため”。イチローが毎日欠かさず行う準備に隠された想い
皆さんはプレゼンなど、大事な仕事の前には準備をするかと思います。ところで、そもそも何のために準備をするのでしょうか。おそらく、“仕事で失敗しないため”という漠然とした理由なのではないでしょうか。もちろん、これが間違いだという訳ではありません。しかしイチローは、準備をする理由について、一歩踏み込んだ目線で次のように語っています。
“準備”というのは、言い訳の材料となり得るものを排除していく、そのために考え得るすべてのことをこなしていく、ということですね。(「自分にとっての準備とは何か?」について語った言葉)
普通の人は、準備の目的を目先にある“仕事の成功”に設定します。しかしイチローにとって、準備は“言い訳する材料をなくすため”にするもの。したがって、準備を終えた時点で、その準備が成功か失敗かが決まるのです。たとえヒットを打つことができなくても、後悔がなければそれは“成功”。次の言葉にその考え方が集約されています。
自分の力を出すための準備をして、力を出し切る。その上で人が自分よりも凄かったら、もうどうしようもない。でも、それはそれで価値のあるものだと思いますけどね。
結果を出すのではなく、自分の力を出す。
実践した人だからこそ語れる言葉がそこにあると思います。
自分の力を出すことに徹底的にこだわって準備するからこそ、大きな結果を残すことができているのではないでしょうか。
これであなたもイチローの準備の方法
続いては、イチローが実践していて、仕事をしている人なら誰もが実践すべき、具体的な準備の方法を紹介します。
1.道具の手入れを欠かさない
仕事をする上で、自分が使っている道具の手入れをすることは、基本であり最も重要なことです。
イチローは、試合が終わるとすぐさまグラブやスパイクの手入れをしているのは、有名な話。これは、彼が道具をただの道具だと思っていないことのあらわれでしょう。手入れを怠ると、せっかく身につけた感覚が失われてしまうのです。この心がけは、仕事をする上でも役に立ちます。
革靴を毎日磨いたり、スーツやシャツのしわをアイロンで伸ばしたり、と身だしなみにかかわることもさることながら、パソコンがちゃんと動くか、ノートやボールペン、そして名刺がちゃんとあるかを確認しておくことが必要です。日頃使うものが万全の状態であれば、毎日同じ気持ちで仕事に向かうことができるようになるでしょう。
2.自己管理を徹底する
1998年にメジャーに渡ってから、彼はたったの1ポンド(約453.59グラム)しか体重が変化していないといいます。これは、結果を出し続けるために彼が継続している、自己管理の賜物と言えるでしょう。
体調を崩さないために規則正しい生活をするのはもちろんのこと、誘惑にも負けない生活をすることが求められます。厳しいことかもしれませんが、成功する人は決まって自己管理をしっかりしているのです。“自己管理を徹底させるのだ”という強い気持ちで、自らを律するようにしましょう。
3.仕事後のルーティンを作る
イチローは試合が終わって家に帰ると、毎日欠かさず夕食前後に自宅にあるマシンでトレーニングをし、寝る前に2時間のマッサージを受けます。こうした試合後のルーティンを欠かさず行うことによって、常に安定したコンディションでプレーすることができているのです。
仕事が終わると、普通の人は気が抜けてしまいがちです。
しかし、1日の仕事の終わりは次の日の仕事の始まりだということを意識して、次の日につなげるルーティンを行うことをおすすめします。ランニングやウォーキング、筋トレといったトレーニング系のものでもいいですし、寝る前のストレッチといった手軽にできるものでも構いません。
次の日を最高のコンディションで迎えるために、無理なく継続できるルーティンを持つところから始めていきましょう。
結果ではなく、実力を出すための“準備”をするからこそ結果につながる
努力をするとき、私達は目に見える結果ばかりを求めてしまいがちです。
しかしその結果が他者との比較によってなされるものである場合、あまりあてになるものではありません。
「自分の力を出し切ることができたか」
他人や周りの環境が変化しても変わることのない絶対的な判断基準で己を磨いているからこそ、イチローは常に素晴らしい結果を出し続けているのです。
仕事で結果を出したいと考えているビジネスマンの方は、ぜひ彼の準備に対する心構えを参考にしてみてはいかがでしょうか。
おまけ:イチローが偉業達成!
そして2016年8月7日イチローがまた偉業を達成しました。
メジャー史上30人目の通算3000本安打を遂に魅せてくれました。その瞬間の映像をおまけとして公開します!