- ※INLIFE~あなたと保険を繋げるメディア~/記事・コンテンツに関するお問い合わせはコチラ
-
楽天車検
-
楽天証券
-
楽天オート
-
楽天銀行
© Rakuten, Inc.
著名人やタレントさんに、愛車や車ありきのライフスタイル、その他諸々についてお話を伺うこのコーナー。
今回のゲストは、クレイジーケンバンドの横山剣さん。
ご自身が名誉館長を務める横浜マリンタワーでお話を伺った。
■横山剣/よこやま けん
ミュージシャン・作曲家・プロデューサー
クレイジーケンバンドのボーカル兼リーダー
<プロフィール>
1960年横浜生まれ。1981年にクールスR.C.としてデビュー。以後、数々のバンドを経て、1997年春クレイジーケンバンドを発足。そのソウルフルなサウンドとライブ感のあるハスキーボイスで、幅広い年齢層から人気を博す。また、和田アキ子やSMAPなど数多くのアーティストに楽曲を提供するなど、作曲家としても活動。2016年8月3日(水)には、横山剣デビュー35周年を記念したアルバム「香港的士- Hong Kong Taxi -」がリリース。
かなりの車好き(カーキチ)として知られる、クレイジーケンこと横山剣さん。
18歳から現在に至るまでの愛車遍歴はざっと50台以上と言うが、今乗っている車は?
『普段よく乗るのはキャデラックのCTSで、3年前くらいからですね。あとは、1956年製のイギリスのクラッシックカー、オースチン・ヒーレーも持ってて2011年に購入しました。家族用でエスティマハイブリッドもありますね。』
現在3台の車をお持ちということだが、中でもキャデラックCTSを選んだ理由は?
『一番はパッと見の顔つきとデザインですね。キャデラック自体は昔から好きだったんですけど、しばらく離れてまして、久しぶりにキャデラックが恋しくなっちゃいました。エンジンは小さいんですけど、ハンドリングが良かったり小気味よく走るし、テイストがすごく良い。あと、車両がすごく軽い。アメリカの車だけど相当軽くなるよう努力している感じもあって、レスポンスがクイックなので気分も良い。乗り心地がシルキーで気に入ってます。』
そんなキャデラックでのお気に入りドライブコースは?
『家が横浜で会社が東京なので、いつもベイブリッジを渡るんですけど、特に帰りのベイブリッジがいいですね。川崎扇島の方から徐々にみなとみらいの夜景が見えてくる時が最高です。あぁ横浜に帰ってきたなぁと思う、あの瞬間がたまらない。』
車のBGMについても聞いてみた。
『ラジオをかける時もありますし、音楽の気分じゃなければテレビの音声だけって場合もありますね。いずれにせよ、音が鳴ってると落ち着くというのはあります。あとは、クレイジーケンバンドのCDを発売する前、レコーディングを終えて音の調整などをするんですが、どういう風に聴こえるかの最終チェックは車の中でやりますね。20歳で初めてレコーディングしたデビュー曲の時から、今年で35年なんですけど、車の中でのサウンドチェックはずっと続いている習慣です。』
車の中でサウンドチェックとは、いかにもクレイジーケンらしい。
そして、これまでCDジャケットやミュージックビデオにも頻繁に車が登場し、車に関する楽曲も多い訳だが、車というものが剣さんの音楽性に与えた影響は?
『とても大きいですね。乗り心地がスムーズなキャデラックのコンコースを乗ってる時にはシルキーな曲が降りてきたり、オースチン・ヒーレーとかゴツゴツした古い車に乗ってる時なんかはダーティーでワイルドなメロディが出てきたりと、乗る車によって曲が浮かんでくるんですよね。マスタングGTを買って乗った時は、すぐに「GT」という曲が出来ましたし、「タイガー&ドラゴン」もマスタングの中で生まれたんです。』
剣さんが和田アキ子さんに歌ってほしいと製作したヒット曲「タイガー&ドラゴン」も、車の中で生まれたらしい。
『国道16号線を横浜から横須賀方面に走る道すがらにトンネルがいくつかあって、最後のトンネルを出た途端に軍港が視界一杯に広がるんですけど、 「タイガー&ドラゴン」のAメロ冒頭部分“トンネル抜ければ海が見えるから”のところは、見たまんまの歌詞とメロディーが同時に一発で生まれました。普通は、降りてきた歌詞をそのまま使うということはなく修正するんですが、それはあまりにスケッチとしてハマっちゃったので、イジりませんでしたね。あと、サビの“俺の話を聞け”のところも本当は違う歌詞にしたかったんですが、もうそのリリック以外に何を乗っけても全然乗らなかったので、そのままにしました。「タイガー&ドラゴン」は生まれたまんまの形で世に出た、奇跡の楽曲ですね。』
クレイジーケンが生み出すメロウな音楽と車の間には相当がっぷりな関係性が垣間見えるが、もともと車を好きになるきっかけは何だったのか。
『5,6歳の時に「グラン・プリ」というレース映画を観たんですが、それが車やモータースポーツへの興味の入り口で、それ以来、F1、日本グランプリ、クラブマンレース、グラチャンとかを観戦しに行くようになりましたね。昔、モーターショーが晴海の東京国際見本市会場で開催されてたんですが、そこにも足繁く通いました。小学校低学年の頃から、ひとりで行ってましたよ。』
ひとりでレース観戦とは、なんともアクティブな子供。
車はやはり、アメ車が一番タイプ?
『そうですね、アメ車はもちろん好きですけど、昔から映画に出てくる車に惹かれましたね。小学生の時に「男と女」っていう映画を観て、そこでマスタングが登場してるんですが、フランス映画なのにアメ車が出てくるアンバランス感にグッときたのを覚えてます。1960年代の映画「卒業」では、アメリカ映画なのにイタリア車のアルファロメオが出てくるんですよ。そういう越境感にしびれますね。あと、田宮二郎さん主演の映画「銭のとれる男」で、主人公が昼はレーサー、夜はトランぺッターという役柄で、いすゞのベレット1600GTに乗ってレースやるんですけど、そういうのも憧れました。「007は二度死ぬ」のトヨタ2000GTオープンカー、ボンドカーのアストンマーティンもいい。スティーブ・マックイーンが出てる「ブリット」のマスタングも最高。そんな感じで、国やジャンルに関係なく、映画で観る車を好きになっちゃいますね。』
そんな幼少期から最も憧れていた車が、フォードのマスタングだという。
『5歳くらいの頃、横浜の米軍基地内にボウリング場や映画館があるPXの駐車場に、白のマスタングが展示してあったんです。近くにいたオジさんが、それはフォードのマスタングだと教えてくれたんです。もう全部がカッコよくて、特にフロントマスクがカッコよかった。そこからずっと憧れてました。』
マスタングというと、先ほど話にあがった名曲「タイガー&ドラゴン」が生まれた車だ。
『2002年に購入してから2009年まで、約7年間乗ってました。割と飽きっぽい性格なのに、マスタングに関しては結構長い。ほどほどにカスタムもしてました。ちなみにそのマスタングは「ガールフレンド」のPVにも登場してますし、「タイガー&ドラゴン」の最終サウンドチェックも車内で行いました。』
幼少期からマスタングに憧れ続け、やがてマスタングに乗り、そこで名曲がいくつも生まれた。
そんな風に、車とニコイチの音楽人生を歩んできた剣さんにとって、車はどういう存在なのか改めて聞いてみた。
『最高の音楽室ですね。音を聴く場所としても最高で、曲がいっぱい生まれてくる最高の音楽室。家では家族にうるさいって言われるので、基本的に音楽は流さないんです。かと言ってヘッドフォンで聴くのはあまり好きじゃなくて。やっぱりエアーを介したいので、車という最高の空間で割と大きめのボリュームで聴きます。まあ、音が大きすぎると救急車の音も聞こえなくなっちゃうので、ちょうどいいバランスで聴きますが(笑)。』
トークの端々で、車と音楽に対する愛と熱量が届く。
次回、昼は会社員として仕事をこなし、夜は音楽活動をしていたという、アーティストとしては異色のサラリーマン時代のお話など、横山剣さんの生き方に焦点を当てる。
Stay tuned.
◇text:井本智恵子
◇photograph:関根虎洸
2016年横山剣デビュー35周年、2017年クレイジーケンバンド結成20周年、2018年クレイジーケンバンドデビュー20周年と、アニバーサリーバッシュ突入の皮切りとして発表された本作は、過去に様々なアーティストに提供した楽曲のセルフカバーをメインに、クレイジーケンバンドの最新曲、そして横山剣が過去に所属したクールスR.C.、ダックテイルズ時代の楽曲も新たに収録したアルバム。
© Rakuten, Inc.