10回、サヨナラ打を放った中日・ビシエド(左)と森監督代行(右から2番目)=ナゴヤドーム(撮影・中島信生)【拡大】
(セ・リーグ、中日2x-1ヤクルト=延長十回、19回戦、ヤクルト12勝7敗、9日、ナゴヤD)中日はダヤン・ビシエド外野手(27)が、延長十回に劇的なサヨナラ安打を放ち勝利。初さい配となった森繁和監督代行(61)に白星をプレゼントした。
これまで指揮を執ってきた谷繁元信監督(45)が、この日から電撃休養。森監督代行となった大切な初戦だった。先発吉見が7回1失点の好投をみせると、谷繁監督に重宝された祖父江、田島とつなぎ、十回は山井が無失点で抑え、打線の援護を待った。
なかなかチャンスを作ることができず迎えた延長十回。二死二塁で打席にはビシエド。気合十分にスタンスを決めると、ヤクルト・平井が投じた4球目をはじき返した。左中間に飛んだ打球は浅めの外野陣の頭を軽々と越え、フェンスにぶち当たった。二走・大島が生還し、サヨナラ勝ちを決めた。
ヒーローのビシエドは「アリガトウ、アリガトウ」と第一声。「今日は4打席凡打が続いていたので、あの打席は必ず打とうと思った。みなさんのおかげです。ありがとうございます」と感謝の言葉。
谷繁監督の休養には「とても寂しい気持ちになった。監督にはお世話になりましたし…」と、顔を曇らせた。
指揮官交代後、劇的な勝利を手に入れた森監督代行は「いつも打ってくれれば簡単なのにね。ビシエドさえ、いつも打ってくれれば。こういったゲームができれば早くやれよと」と、笑顔を見せつつ辛口だった。
吉見(7回1失点)「最低限のことはできた。ただ失点した回に(失策した堂上)直倫のミスをカバーしたかった」
大島(三回に先制打)「吉見さんが(犠打で)一発で送ってくれたので、いい流れでいけた」