台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業傘下で経営再建を目指すシャープが、テレビCMなどを駆使してブランドイメージの再構築に乗り出している。和服姿の落ち着いたたたずまいで液晶テレビ時代の幕開けを強く印象付けた女優の吉永小百合さんは、白物家電CMでロングラン登板。加えて液晶テレビCMにはきゃりーぱみゅぱみゅさん、携帯電話にはフリーアナウンサーのカトパンこと加藤綾子さんを起用した。消費者モニター調査で「買いたくない」が3割を超えたシャープ。華やかなCMの裏では、今後の品質やサービスに対する消費者の不安を払拭(ふっしょく)する狙いもありそうだ。(石川有紀)
きりっとアナウンサーの仕事をこなす加藤さんが帰宅後にほっと一息つくと、スマートフォンが「今日もグッジョブ(Good job)でしたね」とねぎらう。
6月から全国で放映しているテレビCMは、液晶画面の美しさで差別化してきた「アクオスケータイ」のブランドイメージをあえて外し、独自の人工知能「エモパー」の対話機能を際立たせた。フリーアナウンサーとして新たなスタートを切った加藤さんの一日を追うドラマ仕立てのCMには、シャープの家電製品もちりばめ「新生シャープ」の始まりを予感させる。
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