【7月11日 AFP】米国各地で9日夜から10日にかけ、先週2件相次いだ警察による黒人射殺事件への抗議デモが行われ、一部地域で暴動に発展、当局によると合わせて200人以上が身柄を拘束された。

 デモの大半は平穏に行われた。武器を持たない黒人を警官が殺傷する事件が相次いだことを受け数年前に始まった「ブラック・ライブズ・マター(Black Lives Matter、黒人の命も大切だ)」運動に触発された人々が、ニューヨーク(New York)、ロサンゼルス(Los Angeles)、サンフランシスコ(San Francisco)などでデモを繰り広げた。

 だが当局によると、ミネソタ(Minnesota)州セントポール(Saint Paul)では本格的な暴動が発生し、102人が身柄を拘束された。警察によると、抗議行動に出た人々は高速道路を閉鎖し、石や瓶、花火、火炎瓶、金属棒などで警官を襲ったという。暴動は数時間にわたり続き、警官21人が負傷。うち1人は、橋の上から落とされた重さ約11キロのコンクリート片を頭に受けけがをしたという。

 先週起きた黒人射殺事件のうちの2件目は、セントポール近郊で発生した。両事件ではともに、事件発生当時の様子を捉えた戦慄(せんりつ)の映像がネット上で拡散した。

 最初の事件が起きたルイジアナ(Louisiana)州バトンルージュ(Baton Rouge)では、地元メディアが報道した警察の発表によるとデモ参加者100人以上が拘束された。その中には「ブラック・ライブズ・マター」運動を率いる活動家で、事件の様子をインターネットでライブ配信したディレイ・マケッソン(DeRay McKesson)氏が含まれているとされる。(c)AFP/Thomas Urbain with Daniel Woolls in Washington