もはや日本人にとっての通信インフラといえるほど普及した無料通話アプリ「LINE(ライン)」を展開するLINE(東京都渋谷区)が15日、東京証券取引所に上場する。上場承認を受け、これまで非上場企業として公開してこなかった同社の経営情報が開示された。社内取締役5人のうち3人が韓国系で、ほとんどの株式を保有しているのは韓国の企業と個人。また、直近の決算は79億円の連結最終赤字で、韓国系役員の報酬が52億円超だったことも明らかにされた。
金融商品取引法では、新しく上場株式を売り出すためには、内閣総理大臣宛てに「有価証券届出書」を提出しなければならない。東証が6月10日に上場を承認すると、EDINET(電子開示システム)などでこの書類が公開された。
社外取締役を除く役員構成をみると、出沢剛社長、舛田淳取締役以外の3人は韓国系だ。LINEは韓国のIT企業ネイバーの子会社で、同社出身の役員が名を連ねる。世界展開を指揮する槙(シン)ジュンホ取締役は、2005年に入社した韓国の検索サイト大手1noon(チョッヌン)がネイバーに買収され、進出した日本でLINEのサービスをつくるのに大きな役割を果たした。執行役員に関しても、17人中7人が韓国系となっている。
上場時にキャピタルゲインによる恩恵を受ける株主の構成をみると、LINEの“韓国色”はさらに強くなる。ネイバーが87.3%を保有。槙取締役ら14人の韓国系株主が9.1%を持つのに対し、出沢社長ら日本人4人の保有比率は0.16%に過ぎないのだ。
また、15年12月期に槙取締役には52億4883万円が支払われていたこともわかった。このうち、業績を伸ばして上場を実現する動機づけになるストックオプション(自社株購入権)が51億円超を占めており、一概に“法外”とはいえない。ただ、報酬は出沢社長が1億3315万円、舛田取締役が1億205万円と、日本人幹部とは大きな開きがあるのは確かだ。一方で、従業員の平均年齢は34.2歳、給与の平均額は795万円だった。
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