160708

親父の星一徹ぶりが凄かったけど、今ならその理由がわかると思った話。


こんにちは。wiz7です。
 
つい先日、自分が死ぬまでにやりたいことを明確化してみよう!と思い立ち、「やりたいことリスト」として、思いついたことを無意識に書き殴っていた時のことです。

そのリストの中に「親孝行をもっとしたい」というものが出てきたのでした。
僕は感慨深くそれを眺めていたのですが、実はコレ、今の自分でこそ自然にでてくる発想ですが、昔の自分では絶対にありえない考え方だったのです。

端的に言えば、昔の僕はあまり親と仲が良くなかったのでした。

家に「リアル・星一徹」がいるんだが。

僕の父親は、日本を代表するスポ根漫画『巨人の星』に出てくる星一徹……とまではいかないものの、絵に描いたような頑固オヤジだったのでした。
食べ物を粗末にすることを絶対に許さない人なので、さすがにちゃぶ台返しは一度も見たことありませんが。

生意気に口答えをするようならば、即、鉄拳制裁。そこには「根拠」などという高尚な概念は当然存在せず、その鉄拳が正しい制裁かどうかなど一切関係ないのです。
それを影でフォローしてくれていたのが母親なのですが、ポジション的には星飛雄馬の姉に相当するのでしょう。
 
そんな頑固な父親だったため、僕は生活全般に渡り、過剰に厳しい制約を強いられていたのでした。

ある規制では「自転車に乗って公道を走るな!」という謎の指示もありました。周囲の子供たちは日常的に走り回っていたので、非常に羨ましく思ったものです。この「公道走行禁止令」が解除されたのは、相当年齢がいってからだったと思います。

まあ、危険な公道を走らせたくない、というのは、今思えば愛情の裏返しだったのかと思いますが、一事が万事、このような調子で日常生活全般に細かく注文が入るので、思春期あたりから徐々に関係がオカシクなっていったのでした。

社会人として経験を積んだ今だからわかる「当時の僕に見えなかったもの」

その後成人した僕は、「養成ギブス」で窒息死する前に、逃げるように家を飛び出し、社会人として経験を積み、人並みの生活が送れるようになっていったのでした。
その過程で仕事を通じて様々なことを学んだこともあり、当時の僕には見えなかったものが見えてきたのです。

IT業界で経験を積み、プロジェクトを管理する立場となった僕が、メンバー達に対して四六時中、細部に渡って口うるさく指示を出し続けていた時の話です。

当時の僕は視野狭窄に陥り、プロジェクトが心配だからという大義名分の下、こと細かにメンバーの行動に口を出し続けていました。
メンバー達に、もっとスキルを身につけて、改善してどんどん成長していってほしい、もっと効率的に仕事を回してほしい、等という強い思いから、何から何まで仕事の進め方に注文をつけ、自分の考えを強要していたのでした。
そんな日が続き、ある日「ああ、これはヤバイ。さすがにメンバーらに干渉し過ぎたな……」と、ふと我に返った時でした。

「あれ?コレって親父が俺にやってたことと全く同じゃないか……」と気がついたのでした。

上手くいってほしい。
成長してほしい。
いい人間になってほしい。

そこに存在していたのは、全て「良かれ」という想い。ただただ、それだけでした。

あれだけ「ただウルサイだけ。うぜえ」と感じていた執拗な注文も、強い思いとエネルギーがないととてもできるもんじゃないな……と感じたのです。

また、エンジニアだった父親が、安全のために何重にも予防策を張り巡らせたり、過剰なまでに保守的な思考に走る理由が、昔は全く理解できませんでしたが、今の僕にはその思考が手に取るようにわかります。
絶対に起こるはずのないエラーや事故が現実世界では発生し得る、という事実を、実際に仕事を通じ、何度も痛い目にあうことで理解していったからでした。

過干渉が良いことだとは決して思いません。

ただ、良かれという「思いの強さ」がそうさせてしまったということを、自身のマネジメントの失敗体験を通じて知ったとき、今、自分が社会人として生活を送れているのは、紛れもなく「口ウルサイ両親」の強い思いがあったおかげだったのだな、と痛感したのでした。

理想は適度な放任主義だけど……

僕にはまだ子供はいませんが、いずれ生まれたら、自分の頭で考え主体的に動ける人間になってもらいたいという思いと、自身が苦労した経験から、「適度な放任主義」で育てられたらいいな、と思っています。

……などと言いながらも、結局は我慢ができずに、色々と細かい注文を出してしまうこともあるんだろうなぁ、とも思います。

そう、星一徹に似た、とんでもなく頑固なオヤジのように。

著者プロフィール

wiz7-100

wiz7

普段は普通の会社員としてサービスの設計・プロジェクト管理などの仕事をしています。
はてなブログ「プロジェクトマネジメントの話とか」では、プロジェクトマネジメントの他、ライフハック・IT業界の話を中心に、ビジネス全般について書いています!


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