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shi3zの長文日記 RSSフィード Twitter

2016-07-11

憲法改正へ ここからが肝心 07:10

 

 とりあえず今回は自民党が勝った。

 投票率の低さをみんなが問題にしているようだが、もともと勝ちが見えてる選挙に敢えて行こうとは思わないものだ。


 だが、逆に自民党だけで単独過半数にたどり着かなかったことに、僕としては危機感を覚える。

 「どうせ自民党が勝つよ」と思っていると、そのうちひっくり返されてしまうだろう。


 とりあえず「憲法改正」を考えてもいいよ、という勢力が2/3を超えたことで、ようやく憲法改正についてまともな議論ができる。


 今を遡ること5年前、西麻布のワインバーで、僕は東浩紀さんと20年物のシャンボール・ミュジニーを空けていた。そのときもちょうど梅雨時で、蒸し暑い日だった。


 そのときの東さんというのは、「思想地図β」という雑誌を大成功させていて、同人誌として作ったものが、すぐにNHK出版の流通に乗り、波に乗っていた。


 地下のひんやり、こじんまりとした店で、サマートリュフのピザを食べながら、東さんは「次の"思想地図β"は歴史的な内容になる」と言った。

 

 「どんなふうに?」


 僕が聞くと、彼は答えた。


 「日本国憲法を作りなおすんだ」


 凄い。

 と思った。


 まるで夢のようなことを考えるやつだ。

 

 その時点で、日本国憲法を作りなおすという発想は、僕には到底実現不可能な夢物語に思えた。

 だからこそ、完全に民間の手で、自分たちが正しいと思う日本国憲法を作りなおそうじゃないか、というのが東浩紀の考えだった。


 「それはまるでSFだね。いいよ。そしたら、僕はそれにスポンサーをするよ」


 「それはありがたい」


 かくして、思想地図βには付録として「憲法2.0」が付くことになった。



 その裏表紙は我が社のトレードマークである赤い不死鳥になった。


 そして5年後、まさか本当に憲法改正の議論が立ち上がるところまで来るとは夢にも思わなかった。

 でもここからが肝心なのだ。


 我が国の憲法が本当はどのようにあるべきか。

 そして、憲法を改正するということに、国民の支持が得られるか。

 徹底的に議論するべきだし、その議論は密室ではなく開かれた場所でなされるべきだろう。


 憲法を改正すれば、我が国の「戦後」はようやく終わる。

 敗戦国に押し付けられたルールとしての憲法ではなく、これから一等国を目指して発展するために自分たちが大切にすべきものは何かという議論がこれから起こっていくはずだ。


 こういう結果が出た以上、足の引っ張り合いはやめて、ぜひ野党も建設的な議論を重ねていっていただきたい。