【ニューヨーク=兼松雄一郎】一時は企業としての評価額が1兆円を超えた米血液検査ベンチャー、セラノスの創業者、エリザベス・ホームズ最高経営責任者(CEO)が、米規制当局から最低2年間の医療検査事業への関与禁止処分を受けた。セラノスのサービスは品質が法定基準以下だと判断され、公的医療費の給付対象からの除外、検査免許の停止や制限、罰金なども含む処分が60日後に発効する見通し。
ただ、セラノスには訴訟で処分保留にする選択肢は残されている。セラノスは2つの検査拠点のうち、問題のあったカリフォルニア州の拠点をいったん閉鎖。再開に向け運用の仕組みを見直しているという。同社はアリゾナ州の拠点のみでサービスを続ける。
セラノスは指から血を一滴取るだけで通常の半分以下のコストで検査ができるとの触れ込みで資金を調達。シリコンバレーを代表するベンチャーとなったが、元従業員らから検査精度の低さを相次ぎ告発されていた。同社は米司法省や米証券取引委員会(SEC)からも調査を受けている。