マンガ・SNS・ゲーム、“ティーン票”を狙え
10日が投票の参議院選挙。今回注目されるのは、新たに有権者となった18歳と19歳、およそ240万人のティーン票の行方です。漫画にSNS、ゲームと、各党ともさまざまな手段で若者の票の取り込みを狙っています。
「お父さんとかお母さんと政治のことや世の中の話しない?」(民進党 初鹿明博青年局長)
「あんまりしない」
「うちの娘も口きいてくれないんだよ」(民進党 初鹿明博青年局長)
若者の街、東京・原宿。とあるビルにピンクの国会議事堂を描いて模擬投票所を設けたのは、民進党です。狙いはずばり、ティーン女子。初鹿衆院議員は、カジュアルな格好で女子高生にアプローチ。
「選挙はこうやってやるんだよ。民進党覚えてくれた?知ってた?」(民進党 初鹿明博青年局長)
「知らなかったです」
3月に党名を民主党から民進党に変えたばかり。知名度の浸透からスタートです。ティーン女子を対象にした民進党ハイスクールも定期的に開催。アイドル好きを公言する枝野幹事長は、ネットユーザーを対象としたイベントで歌って踊ります。
「政治家って堅そうに見えるけど、違うのかなと一端を少しでも感じてもらえれば」(民進党 枝野幸男幹事長)
共産党は、安倍政権に対する若者の反発の声を拾い上げる戦略です。
「アベノミク酢 改憲料理の隠し味」
「原発NO 民主主義こそ 再稼働」
これは、ホームページで募った政治川柳。ツイッターを通して若者に拡散してもらおうと、毎日、更新しています。さらに・・・
「選挙中に誰かの応援をするのは初めてです。社会を変えようとしてくれている人を1人でも多く国会に送りたいと思ったからです」(SEALDs 安部さくらさん 2日)
共産党の候補者の応援に駆けつけたのは、学生団体「SEALDs」です。安保法制反対で意見を共にしたSEALDsの協力を得ることで、若者からの支持拡大を狙います。
「ブラック企業、それから安保法制も大きな関心です、憲法の問題も。若い皆さんの気持ちに寄り添って、それに応えるという姿勢でやっていきたい」(共産党 志位和夫委員長)
対する与党も、あの手この手の工夫を凝らしています。自民党は「国に届け」と題したパンフレットを作成。漫画の主人公は女子高生。イケメン生徒会長を振り向かせようと、選挙の勉強を始めます。牧原青年局長は、ポップな表紙が若者に好評だといいますが、一部で女性蔑視ではないかとの指摘も出ました。
「漫画家の方にも我々にもそういう意図はありません」(自民党 牧原秀樹青年局長)
さらに、総理扮する「あべぴょん」を操作し、自民党内の出世ゲームができるアプリも開発しました。
「スマホでいろんなことを楽しむ世代なので、他の党がやっていない取り組みとして、こういうアプリを作りました」(自民党 牧原秀樹青年局長)
公明党もゲームアプリを開発しました。公式キャラクターの「コメ助」が、立ちはだかるさまざまな障害を乗り越えて航海を進めるもの。こちらの敵は、共産党のあの人にどことなく似ていませんか?また、ボイス・アクションと銘打って、インターネットや街中で若者の声を集めています。
「私たち、5つの選択肢を用意しました。この中で一番実現してほしいと思うものにシールを貼ってもらえますか?」(公明党 山口那津男代表)
これまでに寄せられた1000万件以上の声を安倍総理に直接報告するなど、与党の強みをアピールしています。
そのほかの政党の取り組みです。おおさか維新は、「ウェブ動画などで若者向けに発信」。個性的なコミック動画をホームページに載せています。
社民党は、“Youth Vision”という「若者向け政策パンフレットを作成」しています。
続いては生活の党です。「若者をターゲットにしたイベントに参加」、小沢代表が足を運んでいます。
こころは、「選挙期間中も若者対象のミニ集会」を開催しています。
新党改革は、街頭演説に学生を起用したり、タウンミーティングを開いたりしています。
若い有権者はどこに1票を投じるのでしょうか。投票は10日です。(08日18:04)