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【防衛最前線(78)】
アデン湾で海賊対策に従事する護衛艦ゆうぎり&ゆうだち 参院選投票は船上で 「離れていても政治参加できてうれしい」
アフリカ東部のソマリア沖・アデン湾は、アジアと欧州を結ぶ海上輸送の大動脈だ。この海域の治安を守ることは、貿易量の99%以上を海上輸送に依存する日本の国益に貢献することにもつながる。
海上自衛隊は海賊対処法に基づき、アデン湾に護衛艦2隻とP3C哨戒機2機を派遣している。機関銃やロケット・ランチャーなどで武装する海賊の出現に備え、アデン湾を航行する民間船舶の警備に当たっている。
護衛艦は約4カ月で交代しており、現在は「ゆうぎり」と「ゆうだち」が現地で任務にあたっている。
ゆうぎりは「あさぎり」型護衛艦の3番艦で、平成元年に完成した。全長137メートル、全幅14・6メートルで、乗員は約220人。76ミリ速射砲や対艦ミサイル、アスロック・ランチャーなどで武装し、哨戒ヘリ1機も搭載できる。艦名は「夕方に立つ霧」に由来する。
ゆうぎりは5月3~4日、民間国際交流団体「ピースボート」の旅客船を護衛したことでも注目された。ピースボートは民進党の辻元清美衆院議員が早稲田大在学中の昭和58年に設立した団体で、海賊対策での海自派遣に反対している。
船旅の企画・実施会社が国土交通省を通じて海自に護衛依頼をしたとみられるが、「派遣に反対だが『危ないときは守って』というのはムシがいい」(自民党国防族)との指摘も出た。海自幹部は「われわれは与えられた任務の遂行に徹するだけだ」としている。
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