トキの野生復帰が順調に進む 39羽のひな巣立つ

トキの野生復帰が順調に進む 39羽のひな巣立つ
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新潟県佐渡市の自然界に生息する国の特別天然記念物トキの、ことし最後のひなが巣立ち、環境省はことしの繁殖期が終了したと発表しました。自然界での繁殖が5年連続で成功したことしは、これまでで最も多い39羽のひなが巣立つなどトキの野生復帰が順調に進んでいます。
環境省によりますと、8日午前6時半ごろ、放鳥された7歳のオスと、自然界で生まれ育った年齢不明のメスのつがいの巣で、ひな2羽が、巣の近くの枝に移動している様子が確認されました。環境省では、ひなが両足で巣の外に出ることを「巣立ち」の定義としていることから、これで、ことし自然界で誕生したトキのひなはすべて巣立ったことになり、ことしの繁殖期は終了しました。
5年連続で自然界でのトキの繁殖に成功したことしは、25組のつがいから53羽のひなが誕生しました。このうち、死んだり行方不明になったりしたひなを除き、無事に巣立ったのは去年より23羽多い39羽で、5年間で最も多くなりました。この中には42年ぶりの巣立ちとなった親鳥が自然界生まれどうしのいわゆる「純野生」のひな6羽も含まれています。
環境省は、「ことしの繁殖期で、自然界に生息するトキの数は200羽を超えた。トキの野生復帰を進める上で、大きな一歩となった」と話しています。