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 埼玉高速鉄道(SR、さいたま市緑区)は2016年3月期決算で20億円の黒字を達成した、と発表した。黒字計上は01年の開業以来初めて。15年3月期は443億円の赤字で、借金の「棒引き」を柱とする県主導の再建策の導入が、黒字転換の大きな要因とみている。

 同社によると、昨年1月の事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)に伴い有利子負債が圧縮され、支払利息は前年同期比で54%減に。保有資産の価値を見直す「減損処理」により減価償却費も同45%減となった。

 一方で、営業収益は同5・6%増の94億円を記録した。東京・国立競技場の建て替えにより、浦和美園駅近くの埼玉スタジアムでサッカー大会が多く開催されたことや沿線開発で利用客が増え、1日あたりの輸送人員が初めて10万人を突破した。

 SRは「財政支援に頼らない自立経営を今年度からスタートさせることができた」としている。(金子智彦)