6月の株主総会が佳境に入る中(編注:この記事は、産経ニュースに6月に掲載された記事の転載です)、出席した株主に配布される「お土産」を廃止する企業が大手を中心に急増している。今年も、大日本印刷や新日鉄住金、明治ホールディングスなどが新たにお土産の配布を取りやめる。その理由として多くの企業は、出席できる株主と出席できない株主との間で不公平感が生じるのを避けたいと強調するが、出席株主数が増え続けると会場確保などの運営負担が重くなるというのが本音だ。お土産はとりわけ個人株主の関心が高い。現状ではお土産「あり」の企業が圧倒的に多いが、専門家の間では廃止の流れが広がるとの見方も少なくない。
「本年から、株主総会におけるお土産の配布を取りやめさせていただくことになりました」。6月の株主総会が今年、最も集中する29日に開く大日本印刷は、株主宛ての招集通知にこんな一文を載せた。同社だけでなく、新日鉄住金やセガサミーホールディングス、第一興商、タカラトミー、ディー・エヌ・エー、NEC、日立マクセル、富士重工業、明治ホールディングスなどの大手企業が、今年は株主総会でのお土産の配布を行わない。
三菱UFJ信託銀行が6月に株主総会を開く企業の招集通知を調べたところ、「お土産の配布は予定していない」との趣旨を盛り込んだ企業の数は15日時点で194社。昨年6月の114社から80社(70%)も増えた。
株主総会のお土産は多岐に渡る。メーカーなら自社でつくっている飲食品や日用品、他社製品ならタオルやハンカチ、優待券・ギフトカードなど。「高すぎず、安すぎず」だ。
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