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英通告まで交渉拒否 独仏伊が首脳会議

英国の欧州連合(EU)からの離脱決定を受けた首脳会談に臨み、記者会見するオランド仏大統領、メルケル独首相、レンツィ伊首相(左から)=ベルリンで2016年6月27日、AP

 【ブリュッセル八田浩輔、ベルリン中西啓介】英国が国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めたことを受け、ドイツのメルケル首相、フランスのオランド大統領、イタリアのレンツィ首相は27日夕(日本時間28日未明)、ベルリンで首脳会議を開き、英国がEUに対して正式に離脱を通告するまで公式、非公式を問わず一切の交渉を行わないことで一致した。3氏は28日からブリュッセルで始まるEU首脳会議で、EUの信頼を取り戻すための改革案を共同で提示する。

 共同記者会見でオランド氏は「無駄にしている時間はない」と強い口調で述べ、英国に迅速な交渉開始を促した。レンツィ氏も同調した。メルケル氏は「英国に一定の時間が必要なのは理解している」として英国の内政事情に理解を示しつつも、英EU双方の経済にとって「停滞状態が生まれないことが望ましい」とオランド、レンツィ両氏と足並みをそろえた。

 英国は9月にも選出される新首相の下でEUとの離脱交渉を始めたい考えだ。これに対し、3氏はEU基本条約に基づく英国からの正式な離脱通告がなければ非公式な交渉も行わないとの方針を確認。通告までの「空白期間」にEU側と水面下で交渉を模索する英国の離脱派の動きにクギを刺すとともに、英離脱決定後のEUの一体感を演出した。

 またオランド氏は、域内で反EU感情が高まっていることを念頭に「テロとの戦いや成長戦略などの優先課題に専念し、若者の信頼を堅固にする政策に力を注ぐべきだ」と強調。テロ関連情報の共有や南欧などに顕著な若者の高失業率について政策を議論し、「成果が目に見える」EU改革を目指す考えを示した。レンツィ氏は「EUにとって新たなページをめくる好機だ」と訴えた。

 EU首脳会議では、28日夜の夕食会で英国のキャメロン首相が国民投票の結果や、その後の内政の状況について報告する。29日には英国を除く27加盟国で非公式会議を開き、離脱交渉の手続きと27カ国の結束を再確認し、今後のEUのあり方について意見交換する。

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