夫が最近落語に興味を持っているのだ。
14時過ぎに到着。チケットは購入できたけど、1階は既に満席。
2階は靴を脱いであがる。
到着してびっくり!
全面畳敷きのステキ空間。場内撮影禁止なので、写真は無し。
畳敷きで、客席が段差になっていて、その段差の部分が丁度いい背もたれになる。
適度な間隔で小さい座布団が敷いてあり、
お客さんは空いてる座布団に座れば良い。
1席あたりの空間がとても広くて、身長153cmの私なら、
ゆったり足を前に伸ばして座れるぐらいだ。
しかも、アルコール以外なら飲み物を持ち込んでいいみたい。
なんて最高のプレイスなんだ!
私たちは、春風亭美由紀さんかな???って人の演目終了間際に到着。
三遊亭円遊さんのネタから見ることになる。
私は落語を見るのも初めてだし、ましてや寄席で生で見るのも初めて。
不安と期待で緊張しながら円遊さんの登場を待つ。
転換はスムーズ。全然退屈しない。
円遊さんは鮮やかな水色の着物だった。72歳って言ってた(ほんとかな?)
話の枕は忘れちゃったけど、ちょっと外し気味の話をして、
そのたびに、「ほら、受けないだろ?わかってんだよ」みたいな
感じの雰囲気とかジェスチャーとか言葉を出すスタイルで受けてた。
てか、私はすごい笑った!この時点で落語に惹き込まれた!
後半は円遊さんの奥さんと孫ネタ。
後半に行けば行くほど加速していく感じがすごくて、
聞き入ってしまった。落語すげー!
ここで中入り。
皆さんトイレに行ったり、喫煙所に行ったりする。
末廣亭は途中入退場ができないので、
飲み物とかタバコは、ちゃんと用意してから行ったほうがいいかも。
その気になれば、昼の12時から夜の21時まで、ずーっとお笑いを楽しめますよ。
中入り後に登場したのは、古今亭今輔さん。比較的若い感じ。
って思ってたら45歳??とか言ってた。
地元群馬の話が枕。富岡製糸工場の話とかしてた。
やっぱこういう、世界遺産がどうとかって感じ、笑点ぽくて好き、
とか思っちゃう私は、テレビ的落語文化に毒されているんだろうか…?
まあいいや、円遊さんも今輔さんも、枕、面白い。
円遊さんは、枕からネタに、すーっと入っていったのに対し、
今輔さんは、「では今からネタをやりますよ。だいたい10分ぐらいでございます」
みたいに断ってからネタに入っていった。
今輔さんのネタは、「クイズが得意な伝説の刑事、雑学刑事(デカ)
が銀行強盗立てこもり事件を解決する話」と言う創作落語だった。
異常に面白くて声を出して笑ってしまった。
ウルトラクイズが出てきた時は、私、ウルトラクイズ大好きだったものだから、
感動すらした!しかし、今思うと、今輔さんのネタは、
若干ピン芸人感がある。でもすっごい面白かったけど!
他のネタも見たいよ〜〜〜〜〜
次は夫婦漫才です。東京太・ゆめ子さんのお二人。
かなりお年を召した印象の京太さんがトボけた感じで、
ネタが口から出てこないみたいな振る舞いをしてて、
そこにチャキチャキした感じのゆめ子さんが、
「あなたが言いたいのは◯◯でしょ!」みたいな感じでつっこんでく。
トボけとチャキチャキの間が絶妙で最高。
ネタは京太さんの同窓会がテーマ。
最初はトボけてたのに、現都知事ネタを織り込んできてびっくりした!
政治ネタもやるんか!!!みたいな。
トボけた人が政治ネタやると異常に面白いんだなーって発見した。
枕は、「自分はお酒が好きで」みたいな話。夏は発泡酒…みたいなね、
で、やっぱり、すうっと「酢豆腐」に入っていく。
もちろん私は、「酢豆腐」の事は全く知らないから、
「酢豆腐」の舞台が暑い時期で、飲み仲間が集まって…みたいな筋って知識がない。
だけど、知識がある人は、お?この枕は、「酢豆腐」かあ?
とか分かるのかな!?だとしたらすごいなー。落語おもろい!!!
私個人的には、この日見た中で、小文治さんの「酢豆腐」が一番面白かった。
知ったかぶりがゆえに「酢豆腐」を食べざるを得なくなる若旦那のしぐさが最高。
ダメ人間を通り越したアホの子キャラが出てくるのだが、
与太郎よ、お前は私か???と言う考えなしのテキトー人間で、
落語を見終わったあと、夫に、そういえばあの与太郎ってさ…
みたいな事を言ったら、落語の世界では与太郎はどの話でも
ああいうダメキャラなんだよって教えてもらって、
へえええ、って思った。スターシステムなんですかね?
三遊亭栄馬さんの落語にも与太郎が出てきた。
お店が舞台なんだけど、主人がどこかへ用事に行っている間、
店番を命じられた与太郎のところにお客さんがやってきて…みたいな。
聞き所は、お客さんが与太郎に頼む、店の主人への伝言を言うところ。
「じゅげむ」みたいに複雑怪奇な伝言なのだ。
で、これを与太郎が聞き取れないものだから、お客さんは何度も繰り返す。
って繰り返すハメになるのは、この話をする、
栄馬さんなわけで、栄馬さんは早口言葉よりしんどそうな、
呪文を何度も生で言うハメになるのである。
で、最後はきれいなダジャレで落ちておしまい。
うわーーーーすげええええって思った。韻踏んでる!!!ヒップホップの源流!!!
次はなんと曲芸をやる二人。翁家喜楽・喜乃さん。
娘の喜乃さんがバランス芸を披露。顎の上に棒を立て、
その上にどんどん茶碗を積み上げていく。
どういう仕組になっているのだ???
喜乃さんの芸はどんどん加速して、人間技を超えたところで終了。
最後は親娘による、輪投げ(フリスビーみたいな輪を6つ同時に投げ合う。
キャッチボール的な感じ)して終わり。はー、マジ仕組みがわかんなかった〜。
すごいものを見たなー。新年の染之助・染五郎さんみたいな感じだ。
最後は三遊亭円輔さん。枕が最高だった!
「地方に行くと、中入りの時なんかにお客さんに尋ねるんです。
お客さんはどうして落語を見にいらっしゃったんですか?」
いろんな答えをするおきゃくさんがいるらしい。
落語が好きだから、なんとなく、笑いたいから。みたいな。
「中には難しいことを言うお客さんもいらっしゃいます。
『落語とは現代における…(覚えてない、省略)…を象徴しており、
いわば…であり…(絶妙の間をおいて)この人、病気だね」
もう…最高!!!
「落語も日によって、面白い・面白くないございます。
そんな時は、お客さんも、自分で寄席に来ると決めたのだから、
自分の運命と受け止め、気を楽に何も考えずに聞いて下さい」
みたいな事を言ってて、思わず、なるほどなー、勉強になるなーと思ってしまった。
って、円輔さんが冒頭に言ったのって、
落語から何も学ぶなってことじゃん、って今気づいたwww
円輔さんのネタは「火焔太鼓」。
道具屋の主人が古びた汚い太鼓を仕入れ、奉公人に掃除を命じたところ、
太鼓が鳴ってしまう。その音を、通りがかりのお殿様が聞きつけ、
太鼓を是非欲しいと所望する。
太鼓を屋敷に持っていったところ…と言うお話。
道具屋はダメ道具屋で、さっぱり売れない物ばかり仕入れているんだけど、
それをブツブツ言いながらも、受け入れてる女将さんがナイスキャラでした。
落語、最高だった!!!もっと見たいなー。
って思ってたら夫氏が、
このような小さい雑誌のようなパンフレットのようなものを見せてくれた。
ううっ、5月号の表紙の江戸家猫八先生
(私にとってはテレビゲームの番組の司会してた江戸家小猫)
の姿が切ないぜ…早すぎる死に合掌。
これは何かと言うと、「東京かわら板」と言う、
東京中の、寄席とか劇場でやる落語のスケジュールを網羅した雑誌(?)なのだ!
1冊500円。細長くて持ち運びしやすいデザイン。
コンパクトな割に、コラムも充実している!
面白いのが、最初の方に掲載されてる暦で、
1日ごとに、その日が何の日か、主な東京の寺社仏閣の催し(お祭りとか)、
縁日開催日、芸人・落語家を中心とした、誕生日・命日が載ってるのだ。
読み応えあるよ〜〜〜。
6月号の巻頭インタビューは立川志の輔。
ただのガッテンおじさんだと思っていたら、なんかすごい人だった!
創作落語界の超スゴイ人的な???私、本当に落語の知識がないので…ごめんなさい。
演芸場に出られなくなってしまい、下北沢の小さな劇場とかで、
他の劇団が演劇を行ったあと夜の22時から1時間だけ落語をした事とかを語っている。
お客さんが3人だけだった日には、当時出だした、
「温かくなるワンカップ日本酒」は本当に温かくなるのかの実験、
をやったりしたらしい。本番でw
スタッフがそのワンカップを買いに行ってる最中は、
志の輔がお客さんに、「お客さん、どこから来たの?」
とか話しかけて盛り上がったりしたみたい。
すげー時代だな。
落語スケジュールも、ピックアップの欄もあれば、
落語家ごとにスケジュールを確認できる欄もあって、
検索性に優れている。非常に使いやすい雑誌です。
個人的には、高校の数学年先輩にあたる、柳屋三三(さんざ)さんの落語を、
いつか生で聞きたいと思っていて、三三さんの欄チェックしまくったw
結構イケメンでは?
そういえばこないだの日曜日は、笑点、春風亭昇太さん初司会の日で、
しかも生放送、新メンバーが判明するって日だったらしい。
新メンバーは三平さん。いい感じじゃないっすか?と思いながら、
「新メンバー三平さんには納得。でも柳屋三三とか持ってきても面白かったと思う」
みたいなツイートをちらほら見かけて、マジ????
母校の先輩ってそんな人気者なん????ってびびった!
確かに三三さん、イケメンだし、テレビ映えしそうだ!
あとは落語以外のフリートークができるかどうかだなー。
それと笑点出だしたら芸能人寄りになるから、
落語寄りの活動を続けるのが難しくなるか、
超ハードスケジュールで寄席に出ながら笑点やるか…って感じだよなー。
はー、芸の道は厳しいっすなあ。
その他にも、神保町落語カフェとか、気になるスポットが沢山載っていた。
「東京かわら板」良さ、ある。
末廣亭の帰り、花園神社でお祭りやってたので、
縁日の屋台をブラブラ見物した。
その後紀伊國屋書店を偵察(新宿行ったらだいたい偵察する)
7階かなんかの芸術コーナーに落語コーナーがあると言うので
行ってみると、こんな本が。
とても分厚い本なのに、1600円と言う良心的お値段。
しかも、落語の主要登場人物が可愛らしい絵で解説されている。
与太郎はやっぱり、ダメでバカな奉公人って感じだった。
私のことかーーーーーーーーーーーーーーwwwwwwwwwww
若旦那も、憎めないどころか、憎たらしいぐらい空気の読めないお坊ちゃんw
おなじみ熊さん八っつぁん、などなど色々登場人物がいるんだなあ。
この本は、四季ごとに分け、江戸の風習を落語を通して、漫画で紹介している。
100度参りだったら、「もと犬」とか。
「もと犬」、落語で聞いてみたーーーーい。
話は、人間になりたくて、100度参りして念願かなった元犬の白が、
優しいおじいさんに拾われて、ある日、「変わった若者を奉公人に雇いたい」
と思っているご隠居のところに働きにいきなさいと言われる話。
白は、姿は人間だけど、頭は犬だから、
ご隠居との会話や生活も犬のまんま。
これが微妙に噛み合ったり噛み合わなかったり。
ここを落語で聞きたい!!!絶妙な間で見たい!!!
白は超キュートだろうなああああああ。
最後の落ちがやっぱり最高で、ご隠居が、白を「これこれ困った子じゃのう」
って感じでなだめながらも、内心、「くううう、これぞわしが探していた、
変わっていて見てて飽きない若者じゃ」って幸せそうに思う、って話なのである。
変わり者を排除せず愛でる感じが、江戸のお金持ち、って感じでステキだ。
って具合に、江戸の風習や生活を紹介しながら、
落語のネタを漫画化しているこの本。
とーーーーっても私のためになりました!
だって、「火焔太鼓」聞いてても「十分で(だったっけ…あやふや)仕入れて」
とかって今の貨幣価値で何円か分からないじゃん。
でもこの本に「火焔太鼓」載ってて、ほほー、7万円ぐらいか??
結構高いな…売れなかったら大赤字じゃんとか思えるのである。
んで、それがいくらで売れたかと言うと…それは落語を聞いてのお楽しみであるw
貨幣価値に限らず、長さの単位とか(尺とか寸とか)、
時刻の単位とか(何刻とか)、ちょっとわかりづらいポイントは
必ず解説してあるので、すごく便利な本です。
子供向けに書かれた本だけど、落語初心者には最適の本なのでは?
末廣亭、入場料3000円でした。
お昼の12時から、いようと思えば夜の21時まで居れてこのお値段。
さらに、入場料を払ったら貰えるパンフレットに掲載の、
新宿三丁目界隈のお店の広告には、たまに、このパンフレット持参で、
ドリンク1杯サービスとか、5名さまより3500円(飲み放題つき)のコースあります、
コース利用時パンフレット提示で1000円割引、とか、
お得なサービスを発見できるので、そういうのを利用すれば、
実質3000円以下で落語を楽しめるのである。最高。
あと、落語だよりみたいのもちょっとだけあって、
その時期の落語ニュースが載っている。
今回は、柳屋三三、何かの新人賞受賞って書いてあった。
三三さん、すげええええ!!!!!!!
繰り返し言うけど、高校の数学年先輩だよーーーーー!!!
まあ、一緒に通った時期はないけどw
ちなみに、私が通っていた高校の落語研究会を作ったのは、
MCコミヤの「倦怠期です」は、結構上手なので、見て損はないのであるw
MCコミヤがいなかったら、私の高校に落語研究会はなく、
柳屋三三も誕生しなかったかもしれない…なんちてw
とにかく落語、ほんっっとおおおおおうに面白いので、
機会があったら是非一度、寄席に足を運んでみてはいかがでしょうか。