米Appleは6月13日(現地時間)、年次開発者会議「WWDC 2016」の基調講演を開催した。本稿では発表されたことを時系列で簡単に紹介する。
最初に登壇したティム・クックCEOはまず、前日にオーランドで起きた銃乱射事件について語り、会場での1分間の黙祷を求めた。
その後、今回のWWDCが27回目であり、74カ国以上から5000人以上が会場に集まったこと、18歳以下の参加者が120人いることなどを紹介した。Appleに登録する開発者の総数は1300万人に上り、最年少は7歳という。
基調講演は、4つのOSであるwatchOS、tvOS、macOS、iOSの順に、それぞれの新バージョンの機能を説明するもので、ハードウェアの発表はなかった。4つのOSはそれぞれ、開発者版が同日、一般向けβ版が7月にリリースされ、正式版は「今秋」公開の予定だ。
Apple WatchのOS「watchOS」のプレゼンテーションは、テクノロジー担当副社長のケビン・リンチ氏が担当した。
右スワイプでウォッチフェイスが選べるようになる。ウォッチフェイスのバリエーションも増え、ミッキーの彼女、ミニーも選べる。
メッセージングでの応答で、手書き入力をテキストに変換する「Scribble」機能が使えるようになる。
また、サイドボタンの長押しで911(日本の110番に当たる)を呼び出せるようになる。米国の911だけでなく、中国の999にも対応すると説明しているので、恐らく110にも対応するだろう。この機能を使うにはiPhoneと接続しておく必要がある。通報は位置情報を伴ったものになる。
アクティビティでは、車いす利用者のための「Stand」代わりの「Time to roll」やStandのように一定間隔での深呼吸を促す「Breathe」機能が紹介された。
Apple TVのOS「tvOS」のプレゼンテーションはエディ・キュー上級副社長が担当した。
Siriでの操作のデモでは、「80年代の高校が舞台のコメディー」をリクエストしたり、対応するアプリで「CBSニュースを見る」などでアプリを起動してライブを視聴する方法などが紹介された。
また、Apple TV経由でHomeKit端末をSiriで操作できることも発表された。
さらに、サブスクリプションサービスへのシングルサインオン機能が利用できるようになる。1つのアプリで認証を済ませれば、他のアプリでは認証プロセスを省ける(アプリ側が対応する必要がある)。
iPhoneのリモコン機能も向上し、iPhoneのSiriやキーボードでApple TVを操作できるようになる。検索がかなり楽になりそうだ。
macOS(旧OS X)のプレゼンテーションはクレイグ・フェデリギ上級副社長が担当。改称について、「他のOSと揃えた」とアニメーション付きで説明した。
次期macOSの名称は「macOS Sierra」になる。別記事を補足すると、パスワード不要の「Auto Unlock」機能や、iPhoneでコピーしたテキストをMacにペーストできるiCloud経由の「Universal Clipboard」機能などが紹介された。
また、モバイル決済のApple PayがMacに対応した(といっても、店頭でMacを使うわけではないよ、とフェデリギ氏)。
Webサイトで、同じアカウントでログインしているiPhoneでの指紋認証を使って決済できる。Apple Payが利用できる国が9カ国になるが、日本にはまだ来ない。
この他、うわさ通りSiriの搭載が発表された他、動画のピクチャーインピクチャー機能などが紹介された。
なお、Apple Musicの新機能については、iOSの紹介でまとめて発表された。
次期iOSは「iOS 10」になる。“過去最大のアップデート”の詳細は別記事を参照されたい。
最後に再登場したティム・クックCEOは、Swiftの普及について語り、さらに若い世代がプログラミングを学習しやすいようにと、iPadで利用できる学習アプリ「Swift Playgrounds」を発表した。
かわいい(?)キャラクターをコードで動かしながら学べる。
これについても別記事を参照されたい。
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