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元コンサルタントな歴史家―ドイツから見た日本

大学で近代日独軍事史を研究する伊藤智央のエッセイ。エーリヒ・ルーデンドルフに関する著書もあります。東大卒業(法学士)、ドイツ・ジーゲン大学大学院修了(歴史学修士)、現在ボン大学大学院博士課程在籍。某米系コンサルティングファームでも勤務経験有り。

ドイツで最も重要なビジネスマナー―適切な握手の仕方

ドイツ・海外 ドイツ・海外-就職・転職

ドイツのビジネスマナーに関するアドバイスはネットにあふれていますが、どれも、箇条書きになっていて、重要度がつけられていません。

そして大切なことに、一番重要で、かつ日本人に最も守られていないマナーが書かれていない、もしくは箇条書きの中に埋もれてしまっています。

それは握手の際のマナーです。

ここではドイツでの握手の仕方を私の実体験を踏まえながら紹介します。

握手の重要性

人は会ってからの最初の数分で相手の印象を決めてしまいます。そのため、最初にどのような印象を与えるのかが、その後の信頼関係を形成するカギになります。

そして最初の印象に大きな影響を与えるのが、挨拶の握手です。

これは、日本人の感覚でいうところの名刺交換です。人柄を伝える場です。ここでしくじれば相手に悪い印象を与えてしまうことは避けられません。

握手の仕方

ではどのように握手するのがよいのでしょうか。

日本人にありがちなダメな例

日本人に最もありがちな握手は、相手の目を見ずに、力の抜けたタコみたいにふにゃふにゃな手で相手の手を握ることです。これは、ドイツ人から見ると、指導力がなく、意志の弱い人間として映ってしまい、魅力的ではない人と思われます。タコみたいで気持ち悪くさえ感じさせることもあります。

握手の悪い例

この写真にあるように、力のこもっていない握手は悪い例です。

適切な握手の仕方

ドイツでの握手は相手の目を見て、力強く握ってください。特に男性の場合は、相手の手が痛くなる1-2歩手前ぐらいまで力を入れてください。相手の手を握っている時間は長くて3秒ほどです。

悪例として出した上の写真の握手よりも力を入れてください。加えて、握手は片手だけで十分です。

譬えると、デートで手をつなぐようではなく、腕相撲をする前の準備姿勢で相手の手をしっかりつかむぐらいの1-2歩手前ぐらいまで力を入れてください。

注意すべきことは、英語でShake handsという表現がありますが、その言葉は、少なくともドイツ語圏では誤解を生むものです。手は振りません。振っては絶対ダメで、握るだけです。*

*「ドイツでは2~3回振る」という情報が書かれている日本語サイトがありますが、この情報は間違いです。(記事末尾の参考記事にもそのように書かれています)

これを守れば、握手一つうまくこなすことで、相手への印象が全然違ってきます。

ドイツでのビジネスにおいて、相手に伝えるべき印象は、専門性はもちろんのことですが、自分が人間的に魅力的であるということです。握手はそのための最初の表現手段、かつビジネスシーンでは唯一のボディタッチの機会です。

二点だけ補足をしておきます。

  • 握手の際は必ず席から立ち上がってください。
  • 握手を求めるのは、偉い人から/ホスト側からです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

重要な点をもう一度まとめておくと以下のようになります。

  • 必ず席から立ち上がる
  • 上の人が握手を求める(自分が下の場合、相手が握手を求める動作を見てから手を出してください)
  • 握手は力をこめる(但し、相手が痛くなってはダメ)
  • 握手の前から握手時まで相手の目を見続ける
  • 相手の手は上下に振らない(握るだけ)
  • 手を握っている時間は長くて3秒ほど

これさえ守れば適切な握手が出来ます。握手は、出来ることであれば事前に練習して慣れておきましょう。うまくなるためには練習が必要です。

握手をうまくすることで、人間的な魅力を伝え、相手との信頼関係を築きましょう!

参考記事:

Handschlag: Wie fest drücken | Knigge

Handschlag: Richtig Hände Schütteln | Karrierebibel.de

他にも以下のような記事も書いておりますので、併せてご覧下さい。

www.ito-tomohide.com

www.ito-tomohide.com

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