朴一(大阪市立大学教授)
「日本のプロ野球の一線で活躍するほとんどが韓国人って話もある」—元阪神の桧山選手はさらりと言う。在日3世の識者が、戦後日本を熱くしたコリアンスターたちの知られざる実像を語り尽くす。
「タブーなき芸人」のタブー
歯に衣着せぬ発言で関西を中心にカリスマ的な人気を誇った故・やしきたかじんと私は、10年来の友人でした。しかし私は、彼のルーツが私同様朝鮮半島にあるのを知りながら、生前、直接彼に生い立ちについて尋ねることは、ついにできませんでした。
「怖いもの知らずのはちゃめちゃ芸人」として天皇制や部落問題、暴力団や右翼などのタブーに果敢に取り組んだ彼でさえ、自らが「在日コリアン」とカミングアウトすることはなかったのです。ところが死後、彼の出自や生い立ちに触れた本が立て続けに刊行され、世の人々の知るところとなりました。
素顔の彼はきわめて繊細で、ナイーブな性格でした。「やしきたかじん」というタレントのイメージを大切にしていたのです。そんな彼が自らの出自を知られるのを恐れたことは、私には痛いほどわかります。
いまでこそ本名を名乗る在日コリアンを採用する日本企業が増えてきました。芸能界やスポーツ界でも、堂々と民族名(コリアンネーム)を名乗る人が増えています。サッカー日本代表で活躍した李忠成、タレントのソニン、料理評論家のコウケンテツ、モデルのアンミカら、現在30代くらいの在日3世、4世たち。NHKの朝ドラ『マッサン』でおなじみの玉山鉄二も、清々しくカミングアウトしています。
しかしその一方で、在特会によるヘイトスピーチにも表れるように、日本社会における在日コリアンへの「まなざし」はまだまだ温かいとは言い切れません。
私が『僕たちのヒーローはみんな在日だった』(講談社+α文庫)を著したのは、日本社会における、私たち在日コリアンへの「まなざし」の変化の可能性を探ることで、本当の意味で在日の人たちが日本を韓国とともに祖国として受け止めることができる時代が来ることを切に願うからにほかなりません。
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