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鉛中毒死絶えず…シカ猟の弾誤飲、規制強化後も

鉛中毒で収容され、獣医師の治療を受けるオオワシ=釧路市の環境省釧路湿原野生生物保護センターで2016年2月6日午後5時20分、本間浩昭撮影

 狩猟や有害駆除によって撃たれたエゾシカの死骸をついばんで鉛弾の破片をのみ込み、鉛中毒で命を落とす希少ワシ類が絶えない。北海道は2000年から段階的に鉛弾規制を強化し14年の猟期からは鉛弾所持も禁止したが、今も中毒被害は続いている。

     環境省がまとめた15年度の全国の傷病希少野生動物収容状況によると、国の天然記念物で環境省レッドデータの絶滅危惧2類に記載されているオオワシは22羽で、すべて道内で収容された。このうち血液検査により2羽が高濃度の「鉛中毒」でいずれも死に、4羽はやや程度が軽い「鉛暴露」と判明した。

     オジロワシも、収容された25羽のうち鉛中毒、鉛暴露が各1羽だった。

     道内では約20年前から、希少ワシ類の鉛中毒が急増。1998年に最悪の26羽(オオワシ16羽、オジロワシ10羽)が収容された。中毒死はこれまでに150羽を超えている。

     道は00年度にエゾシカ狩猟用の鉛ライフル弾の規制に着手し、翌年には鉛散弾の使用を禁止した。さらに、03年にエゾシカ死骸の放置、04年にヒグマ猟での鉛弾の使用、14年に鉛弾の所持をそれぞれ禁止した。

     だが、規制のない本州などで鉛弾を入手して道内で使い続ける悪質なハンターが後を絶たない。

     規制強化後も毎年2〜13羽のオオワシ、オジロワシが鉛中毒で環境省釧路湿原野生生物保護センターに収容され、大半が死んだ。クマタカやイヌワシでも鉛中毒が確認されている。【本間浩昭】

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