抗体の役目と免疫力との関係/免疫力改善を学ぶ
抗体:免疫機能のもと/免疫力改善の大切さを学ぶ【免疫力アップ】
抗体とは、病原体などの自分とは違った異物(ウイルスや細菌のほか、たんぱく質でできたもの)が体内にはいったとき、それと特異的に反応する物質として体内に生ずるものの総称です。杉花粉に反応する抗体やウィルスに反応する抗体など様々です。
つまり抗体とは、異物であるタンパク質(生物は全てタンパク質で出来ています)を体の外に出そうとする物質のことで免疫機能のもととなります。
抗原とは/免疫力改善の大切さを学ぶ【免疫力アップ】
免疫機能が危険物質だと認識し、反応する物質が抗原になります。
したがって、移植された臓器や組織などにも反応することがあります。
拒否(拒絶)反応などとも言われています。
拒絶反応をどれだけ抑えられるかが医学の課題となっています。
また、免疫機能が低下すると、体の一部であるものとそうでないものの区別がつかなくなります。
結果、本来自分自身を守るべき免疫機能が自己を攻撃してしまいます。
また、本来無害であるはずの物質に対して、免疫反応を起こしてしまいます。
アレルギー反応と呼ばれるものです。
前回のお話で米山誠先生が脳機能が大事だとおっしゃたことですが、抗原に対する正常な認識が、健康な体を維持していると思われます。
細胞性免疫と液性免疫/免疫力改善の大切さを学ぶ【免疫力アップ】
免疫機能は主に6種類の細胞が機能します。
そのうち、細胞内で免疫力を出すのがT細胞などのリンパ球で細胞性免疫といいます。
また、骨髄などで機能するのがB細胞や好中球などの液性免疫といいます。
免疫細胞の詳細は図表などを用意して後日改めて記事にしたいと思います。
抗体が異物、抗原に取り付いて破壊、退治することが免疫です。
免疫力がアップすると、細胞性免疫系と液性免疫系が活性化され、異物(細菌やウイルス)や癌細胞に対して免疫細胞がより攻撃的に機能します。
自然免疫と特異免疫/免疫力改善の大切さを学ぶ【免疫力アップ】
人間は「自然(先天性)免疫」と「特異(獲得)免疫」の2種類の免疫システムで身体を守っています。
「自然免疫」は、異物を認識する学習は必要なく、異物にただちに反応できます。原始的な防御システムです。
マクロファージや好中球といった自然免疫担当細胞が、病原菌やがん細胞を食べて消化して排除します。
これを貪食(どんしょく)といいます。
また、ナチュラルキラー細胞は特定のウイルスに感染した細胞や癌細胞を殺傷する準備をします。
抗原提示細胞は、T細胞(Tリンパ球)が異物を認識するのを助けます。
「特異(獲得)免疫」は、T細胞、B細胞といった獲得免疫担当細胞が、侵入してきた細菌やウイルスなどを記憶します。
ただ新しい抗原に遭遇した場合、リンパ球が抗原に適応する必要があります。
特異免疫ができるまでには時間がかかりますが、いったん免疫ができれば、再び同じ病原体に感染したときには、すばやくその病原体にぴったり当てはまる抗体を作って退治します。
ワクチン(インフルエンザ、BCGなど)はこの仕組みを利用して作られています。
抗体と免疫のまとめ/免疫力改善の大切さを学ぶ【免疫力アップ】
抗体をつくるためには、まず自然免疫担当細胞が病原体の特徴を獲得免疫担当細胞に正確に伝達することが必要です。
つまり、効果的な免疫システムの働きのためには、日頃から自然免疫力を改善、アップしておくことが重要となります。
生活習慣、食生活の改善を通して免疫力(特に自然免疫力)の向上を目指していきましょう!