カラフル 森絵都
みなさんこんにちは。
今回は、2010年にアニメーション映画にもなった、名作の紹介です。
題名は、「カラフル」。
黄色いカバーに柔らかいフォントが印象的な本です。
作者の森絵都さんは、直木賞作家で、代表作に「DIVE」などがあります。
さて、この「カラフル」という作品。
とても苦しくて、そして優しい物語になっています。
一見相反する「苦しみ」と「優しさ」ですが、この物語の中では見事に溶け合っているのです。
生きる苦しみと喜びを見つめなおすきっかけになる、おすすめの小説です。
以下、裏表紙より一部引用
生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。自殺を図った少年、真(まこと)の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになるのだが……。
そうなんです、主人公「ぼく」は死後の世界の抽選に当たることで、人生の再挑戦権を得ます。
一度死んだことで記憶を失ったぼくは、他人の体を借りて日々を過ごすのですが……。
といったストーリーです。
イケてない中学生、小林真
「ぼく」の魂がホームステイすることになった、小林真くん。
中学3年生です。
イケてないグループどころか、どのグループにも属せていない、孤高のイケてない中学生なのです。
そんな彼が心の拠り所としていたのは、家族の存在と、1つ下の女子生徒、桑原ひろか。
ある日、その心の拠り所たちが大きく揺らいで、真くんは自ら命を絶ってしまいます。
真くんの魂が抜けた体に代わって、「ぼく」がホームステイを始める。
ここから物語は始まっていくのです。
思春期の物語
中学3年生といえば、思春期の後半といったところでしょうか。
私も、今考えれば随分と無意味な反抗を繰り返していた時期です。
みなさんが15,16歳の頃はどうでしたか?
記憶を無くしているので、自分の年齢がわからない「ぼく」。
主人公である彼もまた、否応なしに真くんの思春期と向き合うことになります。
若さゆえの様々な衝動と向き合いながら、少しずつ周りが見えて、少しずつ大人になっていく。
思春期を越えて、子供から大人へと人生の舞台が移りゆく時期を迎えた、成長の物語です。
まとめ
物語序盤、それはそれは苦しい展開が続きます。
中盤になってもまだ苦しい。
終盤、少し光明が見えてきたと思ったら、一気に優しい物語へと変貌を遂げます。
人生に悩んでいる方、疲れている方にぜひ読んでほしいです。
いったん立ち止まって、自分の居場所を確認する手助けをしてくれる本に、なります。
中学生、高校生にもぜひ読んでいただきたい小説です。
辛いことは有ります。
でも、あなたが幸せになれる場所も、きっとある。
あなたがそう思える一冊に、この本がなりますように。
カラフル 文春文庫 森絵都
最後に
最後まで読んでくださりありがとうございます。
今日のオススメ作品、いかがでしたか?
こんな時に読む本をお勧めしてほしい。などあれば、コメント等でお知らせください。私、とても喜びます。
読んだ感想などお聞かせいただければ、これもまた、とてもうれしいです。
ぜひ私と、読書体験を共有しましょう。
目的別おすすめ度
泣きたい時:★★★☆☆ 3
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