政務活動費(政活費)の不自然な支出をめぐる事件で、詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使の罪に問われた元兵庫県議、野々村竜太郎被告(49)に対する論告求刑公判が25日、神戸地裁(佐茂剛裁判長)であった。同被告は最終意見陳述で「具体的に報告書を作成した時の記憶がございません」とあらためて起訴内容を否認。検察側は「税金が原資の政活費を不正に取得した」として懲役3年を求刑して結審した。判決は7月6日。
【写真】野々村被告を乗せたとみられる車両
同被告は黒色のスーツ姿で入廷し、一礼。最終意見陳述で、佐茂裁判長から証言台に立つように促されると、持参したメモを手に「説明責任を果たせていないことについては申し訳ありません」と声を震わせて陳謝した。
検察側は論告で悪質性を指摘。架空計上したとされる日帰り出張について同被告のクレジットカードの利用履歴などから「出張は不可能。あえて『記憶がない』と弁解している」と訴えた。
弁護側は弁論で、野々村被告の法廷での供述について「記憶がないための消極的な否認」と主張。「政活費を全額返還し、議員辞職もした。結果として政活費の在り方について問題提起した面もある」と情状酌量を求めた。
起訴状によると、野々村被告は架空の日帰り出張費などを計上し、政活費約913万円を詐取したとされる。
同被告は昨年11月に予定された初公判を欠席。神戸地裁は身柄を拘束して強制出廷させる「勾引」の手続きをとり、今年1月のやり直し初公判に出廷させた。同地裁はその日のうちに同被告を勾留したが、2月26日に弁護人の保釈請求を受け、保証金800万円を納付したため、身柄の拘束を解いた。
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