2016年4月25日(月)

人間は周り5人の平均になる! 仕事と人生のクオリティを上げる3つの方法

達人に学ぶ「伝わる技術」 第70回

PRESIDENT Online スペシャル

著者
上野 陽子 うえの・ようこ
コミュニケーション・アナリスト

上野 陽子カナダ・オーストラリア留学後、ボストン大学コミュニケーション学部修士課程でジャーナリズム専攻、東北大学博士前期課程で人間社会情報科学専攻修了。通信社の国際金融情報部、出版社、海外通販会社役員などを経て現在に至る。著書に『スティーブ・ジョブズに学ぶ 英語プレゼン』(日経BP社)、『名作映画いいとこだけの英会話』(ダイヤモンド社)、『コトバのギフト~輝く女性の100名言』(講談社)、『1週間で英語がどんどん話せるようになる26のルール』(アスコム)、『Primeシリーズ1・ビジネス英語新人研修―女子のフレーズー』(ジャパンタイムズ)ほか多数。

執筆記事一覧

上野陽子=文
1
nextpage

周りの人間しだいで大きくなれる

「人間は、いつも周りにいる5人の平均をとったような人になるものだ」

アメリカの起業家であり自己啓発を手掛けるジム・ローンはそんな風に語っている。心理学にはピグマリオン効果と呼ばれるものがある。たとえば教師の期待の大きさに合わせて学習者の成績が向上するというものだ。つまり、期待が人に与える影響のことで、大きな箱を与えてやればその分成長するが、最初から小さな箱ではそれ以上の成長は見込めない。ここでは、周りにいる人間からの影響という箱によって、自分が決まってくることをいっている。どこに身を置くかで、人間はその大きさが決まる……そういえば、こんな現象を見たことがある。

祭の金魚すくいで金魚をとってきたとき、庭の池ならいいかと思って入れてみたことがある。かわいそうに鯉たちに食べられてしまった金魚もいたが、生き残ったものは鯉かと思うように大きく育っていく。金魚すくいの金魚は20cmほどに成長し、小さな金魚鉢では考えられないような大きさになった。環境次第で成長できるとは、本当に起こりうるものらしい。

この成長は、物理的に大きな池に入れてもらったことも理由のひとつだろう。さらに、鯉と同じ餌を食べていたこともある。なによりも“金魚の周りにいたのは体の大きな鯉だった”ことが、驚くほど大きくなった理由かもしれない。周りに大きなものがあれば「自分のサイズはこれだ」と、勝手に思い込み、周りにあわせるうちに自分の存在もどんどん大きく成長する例なのかもしれない。

さて仕事において、自分はどんな枠組みに身を置き、どんなサイズになりたいのかにあてはめて考えてみる。起業家であり、人を結び付けるプラットフォームをつくったスコット・ディンスモアは、大切なことは「自分を理解することだ」と語る。これは「仕事に情熱を見出す3つの要素」であり、なりたい自分を決める基本でもある。

まず、この「仕事に情熱を見出す3要素」とは、こんなものだ。

PickUp