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【神戸橋桁落下】
「想定にない事故」/専門家ら現地視察
新名神高速道路の橋桁落下事故で、西日本高速道路が設置する「技術検討委員会」(委員長=山口栄輝・九州工業大学副学長)の専門家が24日、神戸市北区の現場を視察した。山口委員長は取材に対し、「想定の範囲では起こりえない事故だ」と述べ、今後、工事設計の確認や施工手順の調査などを進める方針を示した。
この日は本格的な調査を始める前段階の視察という位置づけで、委員3人が規制線の外から約20分間、落下した橋桁の西端部分の写真を撮ったり、同社担当者から説明を受けたりした。
山口委員長は工事全体について「特別難しいものとは思っていない」と認識を示し、「(橋桁の)送り出しは完了していたので、橋桁をつり上げて下ろす点に何かあるのかもしれないが、まだ具体的なことは分からない」とした。
橋桁の西端はジャッキごと落下していたが、「(橋桁を支えた状態の)ジャッキが崩れたことは記憶にない。落ちるはずのないジャッキがなぜ落ちたのか、原因を究明する」と言及。橋桁にセッティングビーム(仮受け桁)を取り付けた直後の事故だったが、「設計に問題ないとすれば、それ自体に問題はない。施工手順を調査したい」とした。
委員会は28日、西日本高速道路から、具体的な設計や施工手順について説明を受ける予定。