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【熊本地震】
「人の水もないのに犬に飲ませるのか?」 ペット同伴避難でトラブル相次ぐ 唯一のペット避難所は…
熊本地震の被災地で避難所生活の長期化が懸念される中、ペット連れの被災者が行き場に困っている。一般の避難所では鳴き声や糞(ふん)尿(にょう)をめぐるトラブルが絶えないためだ。熊本市は「殺処分ゼロ」をいち早く掲げた“動物愛護先進都市”。ペット連れの避難者を受け入れる動物病院も登場しているが、疲労がたまる避難所生活での“共存”の難しさが浮かぶ。
避難所追い出され…
「避難所内で犬がおしっこをしてしまい、周囲から離れた場所へ行ってほしいといわれた。居づらくなってその日に出ました」
熊本市内で被災した無職、牧田万里(ばんり)さん(68)は、そう振り返る。愛犬のマル(10歳、雄)は避難生活でも欠かせない存在だといい、「家族の一員だから一緒にいないと精神的にもたない」と話す。
牧田さんが避難生活を送る熊本市中央区の「竜之介動物病院」は3、4階部分を被災地唯一のペット同行避難所として開放している。これまで約230人が犬や猫など計約300匹を連れて訪れた。23日現在も約80人が約100匹と避難生活を送る。