僕の職場ではここ3年ほど割と大きめの懸案として取組んでいる業務があります。
社内の様々な部署や他社も多く関係してくるのと、億単位のお金が絡んでくるために3歩進んで2歩下がるってな感じで思うように進んでいません。
それでも期限は決まっているし、何としてもやらなければならない業務でもあるため、みんなで知恵を絞って取り組んでいるところです。
そんな中に何か問題が発生するとすぐに「だから言ったのに」と言う人がいます。
自分はこうなることはわかっていたとでも言いたいのでしょうか。とてもイヤな感じ。
幸いなことに僕の直接の部下ではないので直撃の被害はないのですが、一度や二度ならともかく業務が停滞するたびに以前の取り組みの拙い点について取り上げて、何度も同じフレーズをこれ見よがしに聞かされると、温厚な僕もいささかうんざりしてきます。
しかも「だから言ったのに」と言うだけで現在進行中の問題に対しては、以前のミスのせいなのだから今更何をやっても無駄って感じで協力しようともしません。
微妙な課題も多く含んでいるため、業務が停滞したりひっくり返されたりといったことがけっこうな頻度で起こっていることは事実です。
だけど様々に起こる問題の中身は異なっていても、毎回同じ「だから言ったのに...」話を強引に関連付けて、くどくどと自説を披露した挙句に「だから俺は悪くない!悪いのは上司だ」という責任逃れと上司を貶める戯言を、当の上司がいないときだけ大きな声で話すのってどうなのよってことです。
僕も事情が分からなかった時には「ふーん、そうなんだ。なんか大変だな」程度に聞いていたのですが、どうも毎回毎回同じ話ばかりするので変だなあと思い彼が話しているときの周囲の様子をよく観察していると、話を聞かされている人たちの空気が険悪な感じになっているのが肌にピリピリと感じます。みんな耳タコなんだろうね。
僕もおかげさまでふたつ隣のグループなのにすっかり耳に大きなタコができました。
この人は批判の対象である本人がいないときだけ自分がどんなに優秀なのか、そして上司がどれだけ無能なのかということを吹聴してまわる人なんだなってことがわかりました。
人事異動があったばかりの今の時期は、新規採用者や他部署から転入してきた人たちは真に受けて話を聞いていますが、正体がバレるのも時間の問題。
先日もその人の上司の上司が彼に別件で質問をしたところ、一応聞かれたことに対しては正確な情報を伝えているのですが、ついでにお得意の過去話を持ち出してきてごにょごにょと「だから自分は言ったのに(上司が自分の意見を聞かないから失敗した)」と全く関係ない話までしているのです。告げ口か!
上司の上司は他部署から転入してきたばかりなのですが、さすがにそんな話を鵜呑みにするほどバカではないので「〇〇さん、今更そんなことはわかった上でどうするかを考えるべきだろ?」と釘を刺していましたが、そんなやりとりが聞こえてくるのも気分が悪いものです。
一方的に彼の「だから言ったのに」話ばかりを聞かされても不公平だし不愉快だしということで、彼が批判する上司や同僚にも雑談ついでに話を聞いたことがあります。
とりあえず与えられた仕事は卒なくこなし、それなりに仕事もできるようです。
でも自分の置かれている現在の立場や職位に不満があるらしくて、直接上司に噛みつくことはないのですが、陰で「だから言ったのに」話をする傾向があるようですね。
自分の力を認めて欲しいという承認欲求の塊のような自尊心を抱え、失敗の責任を何としても他人のせいにしようとするあさましい気持ちに支配された哀れなやつ。
本当に失敗すると思っていたのなら、ちゃんとその前に上司に進言すればいいものを、今更そんなことを言ってもしょうがないって時にごにょごにょと「だから言ったのに」と不平を言ったところで、それもその上司がいないところで言ったところで何の意味もないじゃないですか。
だいたい「だから言ったのに」なんてって言ってるけど、ちゃんと主張したのかどうかも怪しいものです。
非生産的で悪感情しか生まない無駄な行為であるばかりか、不要にグループ内の空気まで悪くします。
そして過去に原因を求めてばかりで目の前の課題に対しては向き合おうとせず文句しか言わないって...ほんと困ったものです。
口を開けば「だから言ったのに」と、文句ばかりをコソコソ言って責任逃ればかりする人とはまともに仕事ができません。
直属の部下ではないけど正直一緒に働きたくないタイプの人間ですね。
だっていつ後ろから矢が飛んでくるかわからないし、懸案については実質役立たずのお荷物だし。
ただちょっと気がかりなこともこれを書いていて思いつきました。
もしかしたら彼も以前は今のような人ではなかったのかもしれないということです。
現在の職場ではなくて、どこかでちゃんと自分の意見を進言したのに採用されなかった結果、何かの失敗に結びついてしまった。そしてその責任を取らされたという経験があるのかもしれません。
その経験が今のような彼を形成しているのかもしれないなってちょっとだけ思ったんですよね。
だって目下の懸案以外の仕事はちゃんとできる人みたいなので。
本人と直接腹を割って話したことがないので本当のところはわかりませんが、もしそうだったとしたら彼のようなイヤな奴を作り出したのは過去の無責任な上司だったのかもしれません。
こういう結果論的な考え方は流行りのアドラー心理学では否定されるんだろうけどさ。
それでもせっかくなのでこれを機会に、僕も自分の行動にはしっかりと責任を持ち、部下や同僚の意見にもちゃんと聞く耳を持とうと思いを新たにした次第。
その上で困難な懸案に対しても可能な限りさらに自分の担当として取り組んでいく所存です。
少なくとも僕の下では彼のような部下を生み出すようなことはしないと自戒を込めて。
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