大分、宮崎で崖崩れ 高速道、複数区間通行止め
土砂崩れによる住民の孤立やライフラインへの打撃など深刻な状況がさらに広がった。国土交通省によると熊本県内で起きた15件の土砂災害のうち、南阿蘇村河陽では温泉旅館2軒の宿泊客らが一時孤立した。大分県中津市と宮崎県椎葉村でも崖崩れが1件ずつあり、民家に被害が出た。
高速道路は17日午前0時現在、九州道植木インターチェンジ(IC)−八代ICなど複数の区間が通行止め。このうち大量の土砂が崩落した大分道湯布院IC−日出(ひじ)ジャンクション(JCT)間下り車線では土砂搬出が始まった。国道も阿蘇大橋が崩落した325号を含め熊本県を中心に多数通行止めとなっている。
鉄道の在来線被害も深刻で、南阿蘇村では豊肥線の立野−赤水駅間の線路が流された。
ターミナルビルに被害が出て全便欠航となっている熊本空港の復旧は2〜3日かかる見込み。ただ、使用できる滑走路は24時間、自衛隊機やドクターヘリ離着陸に利用される。
一方、毎日新聞の集計では、断水は少なくとも熊本県で約39万世帯、大分、宮崎、長崎、佐賀県を含めると約40万世帯に上り、復旧の見通しは立たない。熊本、大分、宮崎の3県では一時約20万3700戸が停電。うち約19万7200戸は熊本県内で、南阿蘇村で村内の全て、阿蘇市で約84%の約1万6000戸が停電した。西部ガスはガス漏れによる2次災害を防ぐため、熊本県内の約10万5000戸で供給を止めた。【曽田拓、内橋寿明】