木造家屋を中心に倒壊…嘉島町
熊本県嘉島(かしま)町でも多数の民家が倒壊し、建物の下敷きになった男性3人が死亡した。多くの町民が自宅を追われ、町の推計によると約3000人が避難生活を強いられている。
嘉島町は14日の地震では目立った被害がなかったが、16日は震度6強を観測した地震で激しく揺れた。町によると「調査する人手が足りない」ため倒壊棟数を把握できていない。町職員は「古い木造家屋を中心に倒壊した。14日の地震で弱っていたのかもしれない」と話す。
死亡したのは奥田久幸さん(73)▽田端強さん(67)▽冨岡王将さん(84)−−で、いずれも自宅が倒壊したことによる圧死とみられるという。
田端さんの救助に駆けつけた親戚、田端司郎さん(66)は「がれきから右手が見えたので何度も揺すって呼びかけたが反応がなかった。こんなに揺れるとは思わなかった。残念でならない」と悔やんだ。
被害が大きかった上六嘉(かみろっか)地区では約30世帯が全半壊した。炊き出し場所になっている上六嘉公民館も敷地の液状化で建物全体が傾き、床下浸水した。【平川昌範】